ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

20131615時50分

新年のご挨拶

「縮む時代にどう生きる」

これは、新建ハウジング「住宅産業大予測2013」のテーマである。

巻頭言には、日本大学建築科教授・湯川学さんの講演の抜粋があり、要旨は次のような内容だ。


<すでに日本は縮む時代に入っている。これまでのように「強い」とか「大きい」とか「シェア」とか「勝」という「己の利」を優先する生き方では成功が覚束なくなっている。

これからは、大量生産販売ではなく、もともと日本人が大切にしてきた「手づくりできるものは手づくりでやる」ところに戻るべきだ。

手づくりは、人に喜んでもらいたいという「利他」の精神に基づいている。人間らしさがある。それは自分のアイデンティティをもち、自分らしく生きるということであり、ビジネスも人間らしくやった方がいい。その基本は小さくやること、すなわち「小商い」だ。自分の身の丈に合ったものをつくる。楽しく誇りをもってつくれる規模の経営で。それをできるだけシンプルにやる。

インターネットはすごいツールである。まさに手づくり型小商いでも生きていく可能性を拓いてくれるからだ。「縮む時代」に適合する工務店経営を目指そう>


世界経済、とりわけアジアは、縮むどころか拡大の本番を迎えようとしているが、日本の住宅業界に目を転じると、市場が縮みつつあるのは確かである。しかし、大手ハウスメーカーをはじめパワービルダーたちは、3.11以後のエネルギー事情の激変の大波を見事なまでに乗りこなし、巧みな広告戦術を駆使し売り上げを拡大し続けている。


このような状況下にあって、工務店が生き残るにはどうしたらよいのか。

もともと工務店は「小商い」なので、湯川さんの意見にはピンとこない人もいるだろう。

中小企業の経営者である鈴木達雄さんは、その著「あえて小さく生きる」(ダイヤモンド社)で「小さく生きることは、縮小ではなく、凝縮です」と言われている。

そうなのだ。

凝縮して、しかもお客様からぜひとも欲しいと求められる価値を持つ。これなくして工務店の生きる道はない。単に「手づくり型小商い」をしていたのでは縮む一方となるだろう。


「『いい家』が欲しい。」は、「己の利」ではなく「他利」すなわち住む人の幸せを心から願うことの大切さを説いた本である。住宅の根源的な価値を住み心地であるとし、それを実現する構造・断熱・換気・冷暖房の方法について常にイノベーションと取り組み、「いい家」を進化させ続けてきた。

「新換気」に、ダクト用エアコンを組み合わせた「涼温換気の家」は、まさしくその成果であり、お客様からぜひ欲しいと求められる家なのだ。


ご承知のように、センターダクトという画期的な発想による換気計画が期待どおりの効果を発揮するためには、プランを最適化するダクティングの工夫と施工力、すなわち現場の手間が必要だ。

つまり、「部分最適」を追求しないことには「全体最適」が得られない。この「部分最適」を実現するのに必要な手間を省き、いい加減にしたとすると、換気が健康増進に役立つ割合は間違いなく減少してしまう。

そこで、手間を省くことで利益を積み上げる大量生産販売指向の造り手たちは「ダクトレス換気」や「通風シュミレーション」を提案する。だが、それは住む人の健康への配慮からではなく、本音は「ダクティングは厄介で儲けにならない」という「自利」優先の考えに基づくものなのだ。

一方、省エネのためには機械換気ではなく自然換気がいいとする主張がある。彼らは省エネと健康の優先順位を取り違えている。


我々は、住む人の健康のために機械換気が絶対に必要だと確信している。

だからその急所となるダクティングと真正面から向き合い、それを得意としなければならない。

そのためには自らがエキスパートとなって陣頭に立ち、社員はもちろん、大工・職人に対しても、ダクティングの大切さについて理解と協力を求めることが大事である。

それさえできれば、スマートハウス合戦や低価格競争に巻き込まれることなく、「縮む時代」は我々にとってまたとない追い風となるだろう。


住む人の幸せを心から願うという「利他」の精神に基づき、「一台のエアコンで、これまでにない快適な住み心地を実現する」という新たな価値を創出し、やり甲斐のある誇り高い家づくりをしようではないか。

この冬、「涼温換気の家」にお住いのお客様方から、喜びの声が多数寄せられている。


今年が、ともに素晴らしい年となることを心から願っています。


2013年1月6日

「いい家」をつくる会 代表 松井 修三


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