ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

20132123時16分

6つの誓い

●昨日と同じことが今日も、1年先も、5年先も、10年先もできるようにする。

●自分のことは自分でするという強い気持ちを持つ。

●自分のことを自分でできる、自立した生活を過ごせることを幸せと思う。

●しんどいことを厭わない。

●世話になるより、世話をするほうがよいと考える。

●困難があっても、動きつづけるという意思を持つ。


これは、高齢者でも安心して取り組める運動を通して、介護されない体、死ぬまで寝たきりにならない体をつくるためのノウハウを提供し続けておられる整形外科医・宮田重樹先生の教えである。

<「寝たきりに」になる人 ならない人>(廣済堂出版)を読んで、先生の教えを実践しようと誓いを立てた。


翌日、電車に乗ってO邸の上棟現場へと向かった。駅のエスカレーターは利用せず階段を上る。電車に乗ったら立ち位置は、優先席を避け一般席にした。

ところがである。目の前に座っていた若い女性がすくっと立ち上がり、笑顔で「どうぞ」と席を譲ってくれたのだ。そんなことを微塵も期待していなかったので、私はすっかりあわて戸惑った。

「ご厚意はありがたいのですが、6つの誓いを立てたばっかりなので、どうかこのまま立たせておいてください」と、そう言うわけにもいかない。

「いやいや、あの、いやいや」

私は、我ながら滑稽な恐縮の仕方をした。

女性は屈託ない笑顔を見せ、好意のプレッシャーがかからないようにほどよい距離を置いてくれた。

「なんという気配りだろう!」


座って目を閉じた。すると様々な思いが湧き起った。

「あんなお嫁さんと同居したら・・・」と、ひとしきり想像してみて思い知ったのは、6つの誓いがうやむやになってしまうに違いないということだった。


なんにしてもだらしがない。

一瞬にして席を譲られてしまうとは、言い換えれば、一目で年寄りと見なされたということだ。

帰りの電車では姿勢を正し、ドアのところに立つことにした。


松井 修三

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