「いい家」をつくる会 会員コラム

2013年1月28日11時05分

アクセルを放す

 体感ハウスは先月末まで涼温換気1台のみの暖房を行っていたが、今月の頭から半ばにかけて、その涼温換気のエアコンに加え6KWの蓄熱暖房機1台に蓄熱させ、全体の暖房を賄ってきた。
 先週の中頃、その蓄熱させていたチクダンのブレーカーをOFFにし、再び涼温換気エアコン1台のみの暖房の状態に戻し、現在も続けている。

 チクダンをOFFにすることによってどの位室内温度が下がるかと思っていたが、驚くことに、室内温度はほとんど下がっていない。
 チクダンからの熱を無くしてから1週間経とうとしている今も、体感的にも十分な暖かさが家中まんべんなく保たれている。

 改めて体感ハウスの性能の高さに驚くと同時に、こんなイメージが湧いてきた。

<高速道路を自動車で走っている。
 緩やかな下り坂に差し掛かったので踏んでいたアクセルを放した。
 当然エンジンは止まるのでガソリンは使わずに慣性だけでスピードを保ちながら進む。>

 性能のいい家の熱負荷はこのイメージだ。

 アクセルを放してもスピードが保ち続けられる車の状態。

 チクダンをOFFにしてもほとんど室内の暖かさが保たれるのは、エネルギーを加えなくても、それまであった暖かさが逃げていかないからである。

 冷暖房のランニングコストのかからない家とは、緩やかな下り坂を走る車のような状態である。
 上り坂を走る車のような家は、アクセルをゆるめることはできない。
 結果、燃費は高くつく。

 「いい家」をつくる会の松井修三会長は、涼温換気の家の住み心地を車でいうところの「レクサス」だと例えている。

 性能の面から加えて、私は是非こう補足したい。

 「燃費のいいレクサス」であると。


              有限会社 平澤建築事務所 姫川真人

2013年1月27日23時59分

妻が気に入る家を


 勉強会に参加されたお客様が言われた。

 今朝のわが家の温度は2度でした。
 昨年もこんな寒い日があったのでしょうが、今年はやけに寒く感じます。妻は5時半前後に目を覚ますと、真っ先に2台の石油ストーブに火をつけます。それから1時間ほどして私は起きるのですが、妻は今年は寒さがつらいと嘆いています。
 私は、寒いなーと思うたびに、良寛さんのお言葉、「夏は暑きがよろしく、冬は寒きがよろしく候」を口ずさんできました。分相応の暮らしとはこんなものなのだと達観していたのです。しかし昨年65歳を過ぎて、これから先も暑さ寒さを耐え続けていく人生でいいのだろうかと思うようになったときに、新聞の小さな広告に目が留まったのです。
 松井さんの本を読んで、目からうろこでした。
 とくに第一章に感動しました。
 お前は「老後を支えてくれる一番確かなもの」があるのか?
 「住宅の根源的な価値」を知っているのか?
 そう自分に問うて愕然としたのです。持つべきもの、真に価値あるものを知らずして一生を終えてしまう。なんとバカなことだろう。
 私は、妻に詫びました。私を信頼し一生懸命についてきてくれているのに、丈夫ではない体を2度の家に預けさせている横暴をです。これは家とは言えない。単なる箱でしかない。幸せの器だなんて錯覚だ。独りよがりでしかなかったのです。
 勉強会には妻と一緒に参加する予定でしたが、二日前から風邪を引いてしまいまして。実は、「夫婦別寝」のご提案についても大いに考えさせられ、独りよがりの生活をこの際、根本から改めてみようとも思ったのです。
 とにかく、私は家づくりにあまりにも無知でした。
 どうか、妻が気に入る家を建ててください」。

                           松井修三

2013年1月22日22時57分

「新換気SA-SHEの家」に住んで2年

 早いもので、「新換気SA‐SHEの家」の引渡しを受けてからまるまる2年の歳月が経ちました。当時1歳4か月ほどだった双子の一花と大生もおかげさまで元気に3歳と4か月になりました。
 四季を通して感じたことを1年経ったらお伝えしようと思っていたのですが、仕事や子育ての忙しさに、気がついたらあっという間の2年です。

<外観>
 今でも、前の坂道の上から我が家のたたずまいを眺めるたびに「いいなぁ」と、うれしいため息が出ます。そのデザインは、奇をてらうこともなく、ある意味オーソッドクスなのですが、古臭くなく飽きのこない、そしてディテールにはしっかりと新しさがあります。斬新なもの、流行を追いかけたものは、飽きやすいし、疲れる気がします。私は、わが家のどこか懐かしいような落ち着きのあるデザインがとても気に入っています。

<1年中、裸足の家>
 我が家では、全員が1年中ほぼ裸足で過ごします。もちろん真冬もです。床暖房でもないのに無垢のフローリングは冷たくなく、梅雨時でもベタベタすることはありません。床暖房は親戚の家にありますが、すぐ足が熱くなってしまい苦手です。私はいつも家に帰りつくと、まず靴下を脱ぎます。素足の解放感とくつろぎ感が大好きなんです。子どもたちも裸足で走り回っています。おかげさまで最近はずいぶんしっかりした土踏まずができてきました。でもこれって、驚異的なことですよね?だって、今は真冬ですから。

<本当に空気が気持ちいい>
 春、秋はもちろんですが、真夏でも真冬でも外がどんなに暑かろうが寒かろうが家の中はとても快適です。快適すぎて、外出の服装のチョイスに失敗したことも一度や二度ではありません。外から帰ってうがいをして、家の中で深呼吸すると、とても気持ちが良くて心身ともにリフレッシュ出来ます。
 「空気が気持ちいいなあ」と日々実感しています。

 冷暖房についてですが、家が小さいこともありますが夏でも小屋裏の6畳用のエアコン1台の連続運転でほぼ足りてしまいます。よっぽど暑い日か、お風呂上りにたまにリビングのエアコンをつけるぐらいで、寝室のある1階にはそもそもエアコンがありません。それでも、扇風機を軽く回せば十分快適です。
 寒がりでエアコンが苦手な妻も心地よさそうですし、子どもたちも「あせも」に悩まされることなく夏を過ごしました。冬は冬で、以前ここに建っていた家では(断熱材の無い築40年になる家とはいえ)暖房しても靴下の上にフリースの靴下を重ね、はんてんかダウンジャケットを羽織っていたのがウソのようです。それが今では、前に書きましたが真冬に裸足で過ごしています。真冬でなければTシャツで過ごすことも珍しくありません。
 暖房のモアッとした感じが苦手なのですが、それが一切なく家中が暖かい。近所のスーパーの配達のおじさんが玄関口で暖かさに驚いています。
 2年前、まだまだ人見知り、場所見知りが激しくてどちらかと言えば臆病だった子どもたちが、年末のお引渡しの時には家に入るなり楽しそうにはしゃぎながら走り回っていたのが忘れられません。胎内記憶でもあるのかなあと思っていたのですが、きっとこの家の包み込むような優しさ、心地よさ、安心感を本能的に感じ取ったのだと今では思います。子どもたちは、もちろん今もおウチが大好きです。

 <東日本大震災のこと>
 家を建て替えようと思った理由の一つに、地震への備えがありました。
 以前の家で耐震診断をしてもらったら、「震度5強で倒壊のおそれあり」だったのです。「しっかりした家にしたい」という思いは強く、大手メーカーの耐震設備や鉄骨造も当初は検討しましたが、これという確信が持てませんでした。そんなときに「いい家が欲しい。」に出合い、マツミハウジングと出会いました。
 震災で被害に遭われた方々には本当にお気の毒なのですが、我が家は改善していただいた地盤、擁壁、そして強固な基礎とTIPのしなやかな強さのおかげで、あの日の揺れにもしっかりと耐えることが出来ました。マツミさんに出会えたこと、完成が震災前だったこと、すべての幸運に感謝するばかりです。TIPの制震力は本当にすばらしいです。
 震災後、この辺りは計画停電のエリアになりました。その経験からひとつだけ思うことがあります。トイレは何の迷いもなくタンクレスにしたのですが、もしかしたら、2つあるトイレのうち1つは電気を必要としない旧来のタンク式にするというチョイスもあったのかもしれません。バケツの水で流せるのですが、タンク式なら水さえ止まっていなければ、普段通りにストレスなく使えたと思います。停電や災害で普段通りでない中、ひとつでも「普段通り」であることは大切なことかもしれません。

<感・感・感の日々>
 我が家の感想は、「感性」にひびく「感嘆」の連続であり、それはやがて「感動」にいたり「感謝」の気持ちでいっぱいです。
 「満足する家にたどり着くには2回3回建ててはじめて・・・」などという格言?もあるようですが、私たちは初めての家造りで、お世辞抜きで100%満足の家を手に入れることが出来ました。この住み心地は、何物にも代えることが出来ません。本当にありがとうございました。

 会長さんや社長さん、久保田さん、設計の川上さん、現場監督の篠田さん、そして大工さんやすべての職人さんたちに、あらためてお礼申し上げます。川上さんには、何度もわがままな注文を聞いていただきました。コストダウンの方法や細かい変更にも快く応じていただき、またすばらしいデザインと設計をしていただきました。床を下げたり、天井を一部低くするなど目からウロコのアイディアにも感服しました。また施工中の大工さんのアイディアで生まれた収納や柱の角を丸くする細かい工夫などは、親戚に屋根職人がいるのですが、彼が「これはいい仕事だなあ」と感心していました。おかげさまで本当に住み心地よく、安心して毎日を暮させていただいています。
 これからも細かいご相談もたくさんしてしまうかと思いますが、末永く子どもたちの代まで、この家と私たち家族をよろしくお願いいたします。

 長々と書きましたが、日々自分自身の感じていること、感謝の気持ちをお伝えしたくて筆を取りました。
 これからも「涼温換気」など進化するマツミの家づくりを楽しく注目していきたいと思っております。
 まだまだ寒い日が続きますが皆様どうぞご自愛ください。ありがとうございました。

                横浜市青葉区あざみ野のH様より

2013年1月20日22時50分

千客万来



 羽村市のS邸の地鎮祭は、雲一つない晴天に恵まれ無事執り行われた。
 近所に住まわれているSさんのご一族四世帯11名が参加された。

 これは、昨年の10月1日に契約をいただいた日のブログである。
 <Sさんは、私がブログを始めた2006年に勉強会に参加され、それからずっと読んでくださっていて、マツミハウジングの家造りが進化していく様子を楽しんでおられたそうだ。
 「6年間、マツミの家を建てるという決心はいささかもぶれることがありませんでした。それだけに今日の契約が、台風で延期になってしまうことがないようにと願っていました」と、Sさんは心の内を語られた。
 ご夫妻は今年2月に再度、娘さんを伴って勉強会に参加された。そのときに、2時間半ほどの間、別室で娘さんが一心に本を読む姿を久保田さんが覚えていた。
 今日は契約が行われている隣のテーブルで、娘さんは、持参したはさみで切り絵をしていた。姿勢も変えず、集中してはさみを動かす姿に感心して久保田さんが言った。
 「まぁ、みごとなはさみ使いですね。まるで切り絵細工の職人さんみたいで」
 するとご主人が言われた。
 「娘はマツミさんのところに来ると、心が落ち着いて集中できると言うのです。今の自宅はマンションですが、そこへ帰るとマツミの家が早くできないかなぁと言います。心地よさの違いって、子供にも分かるのですね」。
 すると奥さんが娘さんの方を見やって、「打ち合わせに何度か連れてきましたが、いつも帰りたくないと言うのです。マツミにいると、時間があっというまに過ぎるって」と笑われた。
 娘さんは今、小学4年生。名前は「ゆめか」。
 字を尋ねると、「夢が叶うと書きます」と、はにかみながら答えてくれた。
 ご両親と夢叶さんの夢は、来年の夏に叶うのである。>

 地鎮祭が終わって、Sさんは満面に笑みを浮かべて言われた。
 「私が松井さんの本を読んだのは10年前なのですよ。そのときに、いつかは必ずマツミの家を建てると決意したのです。その夢がいよいよ現実のものになろうとしています」。
 久保田さんが応えた。
 「お嬢さんのお名前のとおりですね。夢叶ちゃん」と。

 横浜体感ハウスでの勉強会は、大人17名、子供8名、社員6名、合計31名で大賑わいだった。
 その外に3組のお客様が見えられ、契約に向かっての打ち合わせが行われた。

                           松井修三

2013年1月15日23時46分

新年会


 新年会の冒頭、社長が挨拶した。

 マツミハウジングが「いい家」すなわち「住み心地の良い家」造りに本格的に取り組んで20年が経つ。その間、イノベーションと取り組み、昨年、省エネで一年中を快適に過ごせる「涼温換気の家」の開発に成功した。
 すでにお住いになられている18棟のお客様方から連日お褒めの言葉をいただいている。
 新規のお客様の関心は高く、この3連休には30組を超えるお客様がお見えになられた。また、「ソーラーサーキットの家」にお住いの方々からも連日のようにお問い合わせをいただいている。
 皆さんのご理解とご協力を得て、今年も着実に実績を積み重ねていきたい。

 私は、このような話をした。

 「涼温換気の家」はまさに「いい家」であり、その住み心地を車に例えるなら「レクサス」だ。かっこいい、おもしろい、楽しいという車はいろいろあるが、乗り心地の良さではレクサスがナンバーワンである。だから、乗り心地と安全を求める人は、どうしても欲しくなる。
 そして手に入れてみると、心から満足する。
 「涼温換気の家」は、住宅のレクサスなのだ。
 だからと言って高くはない。3000万円前後の予算から建てられる。
 この家は、大量生産ができない。皆さんの手の技を高度に用いないことには造れないからだ。ここに集まった皆さんの一人一人が「いい家を造る」という強い意思を持ち、それを誇りにしているから造れるのだ。
 私は、1月5日に74才になったがさらに「いい家」を造りたいという意欲は強まるばかりである。

 ここで、久保田紀子さんに代わった。

 私は、12年前に「ソーラーサーキットの家」に住み、それから「第1種換気の家」、次に「新換気の家」、そして昨年から「涼温換気の家」へと、マツミの家造りの進化をその都度実際に住んで体感し続けてきている。住みながら感心させられていることは、マツミハウジングという会社のより良いものに対する探究心のすごさだ。
 お客様に喜んでいただきたいという一途な姿勢だ。
 「涼温換気の家」の住み心地は、本当に素晴らしい。今年も、一人でも多くのお客様にこの素晴らしさをお伝えしていこうと思う。

 最後に私から、ハインリッヒの法則(1:29:300)を工事部の人たちにパントマイムで演じてもらって事故やケガをしないようにとお願いした。
 重症以上の災害が1件あったら、その背後には29件の軽症を伴う事故があり、そのまた背後には300件もの「ヒヤリ・ハット」が発生している。
 災害を防ぐには、いかなる「ヒヤリ・ハット」であっても神様からの警告と真摯に受け止めること。そして、現場のトイレを磨き、整理整頓と掃除を徹底することだ。

 恒例のマツミダンシングチームのパフォーマンスには、会場が爆笑の渦となった。
 来年は、さらに楽しい新年会にしよう!
 130名の参加者から大きな拍手が起きた。

                           松井修三

2013年1月13日18時34分

増えている30代のお客様




 今日の東京勉強会は満席だった。
 午前中、東京都狛江市に建てる30代前半のNさんからご契約をいただいた。
 3才と1才のお子さんの他に、奥さんのお腹の中に3人目の赤ちゃんが宿っている。
 Nさんは、引越しを決意した経緯を話してくれた。いま住んでいるところは産業道路に近いので大気汚染が気になっていたところ案の定、子供たちが喘息気味になってしまった。そこで空気がきれいそうな土地を手に入れた。どのような家を建てようかと悩んでいた時に「だから『いい家』を建てる。」と出合い、機械換気の大切さを学んだ。
 勉強会に参加し、妻と子供たちのために建てる家はこれしかないと「涼温換気の家」を選択したとのこと。

 勉強会にも30代のお客様が2組いらした。
 親子二代で「いい家三部作」を読んで参加される方も増えている。
 この場合、親が先に読んで子供たちに勧める場合と、その反対があるのだが、後者の場合の方が話の進展が早い。とくに30代がそうだ。
 いずれにしても、木造軸組み+外断熱+新換気という組み合わせに対する理解は共通していて、勉強会に参加し、体感ハウスで体感されると「涼温換気」を納得される。

 新潟県の木下工務店さんが、お客様を伴われて参加されていた。


                           松井修三

2013年1月9日22時35分

「涼温換気」の電気代

 25年1月分「電気使用量のお知らせ」がポストの中に入っていた。(電気の使用期間は12月10日から1月8日まで)
 それを見ての、以下がご報告である。

 昨年の冬まで、わが家の暖房は深夜電力による「蓄熱式暖房機(クレダ)」だった。
 「お知らせ」によると、使用量は0KWhで、請求金額は1,890円(基本料金のみ)。
 四角で囲われた枠の中には、
 “昨年1月分は34日間で2,518KWhです。(請求金額は27,524円)
 今月分は昨年と比べて100%減少しています。”と記載されている。

 その理由は、「涼温換気」に切り替えたからだ。
 「涼温換気」は、「新換気」に5KW(14畳用)のダクト専用エアコンを組み合わせて、エアコン能力の約10倍の広さの家を暖めることが可能だ。
 その電気代が575KWh/ 金額19,578円。
 昨年「蓄熱暖房機」が2518KWh/金額27,524円だったから、消費電力は、なんと1943KWh/77%も削減した。金額的には7946円の得である。

 私は「クレダ蓄熱暖房機」が大好きだった。だからエアコンで全館暖房することに戸惑いがあった。しかし、実際に体感してみると個別エアコンのような不快さはまったくなく、クレダに勝るのではないかと日々思うようになった。
 「お知らせ」を見て、私は「涼温換気」に軍配を上げることにしたのだが、日当たりのよくない家の場合や間取りによっては個別エアコンを補助暖房に用意しておくとよいと思う。

                      久保田紀子

2013年1月6日15時50分

新年のご挨拶

 「縮む時代にどう生きる」
 これは、新建ハウジング「住宅産業大予測2013」のテーマである。
 巻頭言には、日本大学建築科教授・湯川学さんの講演の抜粋があり、要旨は次のような内容だ。

 <すでに日本は縮む時代に入っている。これまでのように「強い」とか「大きい」とか「シェア」とか「勝」という「己の利」を優先する生き方では成功が覚束なくなっている。
 これからは、大量生産販売ではなく、もともと日本人が大切にしてきた「手づくりできるものは手づくりでやる」ところに戻るべきだ。
 手づくりは、人に喜んでもらいたいという「利他」の精神に基づいている。人間らしさがある。それは自分のアイデンティティをもち、自分らしく生きるということであり、ビジネスも人間らしくやった方がいい。その基本は小さくやること、すなわち「小商い」だ。自分の身の丈に合ったものをつくる。楽しく誇りをもってつくれる規模の経営で。それをできるだけシンプルにやる。
 インターネットはすごいツールである。まさに手づくり型小商いでも生きていく可能性を拓いてくれるからだ。「縮む時代」に適合する工務店経営を目指そう>

 世界経済、とりわけアジアは、縮むどころか拡大の本番を迎えようとしているが、日本の住宅業界に目を転じると、市場が縮みつつあるのは確かである。しかし、大手ハウスメーカーをはじめパワービルダーたちは、3.11以後のエネルギー事情の激変の大波を見事なまでに乗りこなし、巧みな広告戦術を駆使し売り上げを拡大し続けている。

 このような状況下にあって、工務店が生き残るにはどうしたらよいのか。
 もともと工務店は「小商い」なので、湯川さんの意見にはピンとこない人もいるだろう。
 中小企業の経営者である鈴木達雄さんは、その著「あえて小さく生きる」(ダイヤモンド社)で「小さく生きることは、縮小ではなく、凝縮です」と言われている。
そうなのだ。
 凝縮して、しかもお客様からぜひとも欲しいと求められる価値を持つ。これなくして工務店の生きる道はない。単に「手づくり型小商い」をしていたのでは縮む一方となるだろう。

 「『いい家』が欲しい。」は、「己の利」ではなく「他利」すなわち住む人の幸せを心から願うことの大切さを説いた本である。住宅の根源的な価値を住み心地であるとし、それを実現する構造・断熱・換気・冷暖房の方法について常にイノベーションと取り組み、「いい家」を進化させ続けてきた。
 「新換気」に、ダクト用エアコンを組み合わせた「涼温換気の家」は、まさしくその成果であり、お客様からぜひ欲しいと求められる家なのだ。

 ご承知のように、センターダクトという画期的な発想による換気計画が期待どおりの効果を発揮するためには、プランを最適化するダクティングの工夫と施工力、すなわち現場の手間が必要だ。
 つまり、「部分最適」を追求しないことには「全体最適」が得られない。この「部分最適」を実現するのに必要な手間を省き、いい加減にしたとすると、換気が健康増進に役立つ割合は間違いなく減少してしまう。
 そこで、手間を省くことで利益を積み上げる大量生産販売指向の造り手たちは「ダクトレス換気」や「通風シュミレーション」を提案する。だが、それは住む人の健康への配慮からではなく、本音は「ダクティングは厄介で儲けにならない」という「自利」優先の考えに基づくものなのだ。
 一方、省エネのためには機械換気ではなく自然換気がいいとする主張がある。彼らは省エネと健康の優先順位を取り違えている。

 我々は、住む人の健康のために機械換気が絶対に必要だと確信している。
 だからその急所となるダクティングと真正面から向き合い、それを得意としなければならない。
 そのためには自らがエキスパートとなって陣頭に立ち、社員はもちろん、大工・職人に対しても、ダクティングの大切さについて理解と協力を求めることが大事である。
 それさえできれば、スマートハウス合戦や低価格競争に巻き込まれることなく、「縮む時代」は我々にとってまたとない追い風となるだろう。

 住む人の幸せを心から願うという「利他」の精神に基づき、「一台のエアコンで、これまでにない快適な住み心地を実現する」という新たな価値を創出し、やり甲斐のある誇り高い家づくりをしようではないか。
 この冬、「涼温換気の家」にお住いのお客様方から、喜びの声が多数寄せられている。

 今年が、ともに素晴らしい年となることを心から願っています。

                       2013年1月6日
              「いい家」をつくる会 代表 松井修三

2013年1月1日16時18分

「涼温換気の家」

  想像できますか?
  家中がこんなにも暖かく、
  こんなにも涼しいことを。
  「これっ、たった1台のエアコンですよ!」

  冬。外気温が2度の朝。
  私は薄いパジャマで洗面所に立つ。
  半袖のシャツに着替えて、朝食の支度をする。
  わが家では、だれもセーターを着たことがない。
  トイレ以外のドアはすべて開けたまま。
  気になる温度差がないからだ。
  この家には、冬が見当たらない。

  家に帰ると、暖かさが優しくハグしてくれる。
  疲れが全身から溶けていく。
  空気が気持ちいい。
  「ああ、いい家だなー」と、思わず深呼吸をする。

  真夏日。外気温が30度、湿度85%の夜。
  涼しさがさらさらと肌を撫でる。
  この家には熱帯夜がない。
  眠れない夜がない。
  犬が舌でハアハアと体温調節をしない。
  なんと幸せそうな寝顔なのだろう。
  見つめているだけで癒される。
  たった1台のエアコンが、
  冬と夏を、さらに楽しめる家にしてくれた。

                   久保田紀子


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