「いい家」をつくる会 会員コラム

2013年2月4日23時22分

セルローズファイバー断熱材

 立春にふさわしい暖かな陽気の今日、「いい家」をつくる会/山梨県のナカゴミ建設さんにプランを依頼されているMさんが横浜店に来られた。
 暖か過ぎて「涼温換気」の体感は叶わなかったが、いろいろと楽しいお話を聞かせていただいた。
 のっけから、「私には人生の先生が5人います。スピーカーの先生、カメラの先生、お酒の先生、テニスの先生、そして家の先生、これは松井修三さんなのです」と言われ、思わず身を乗り出してしまった。

 Mさんは、TANNOY(タンノイ)のスピーカーを見やって、
 「さすがいいものを置いていますね。私はこんないいものは買えないから自分で作るのですよ」と笑われた。
 「どうやって作るのですか?」
 「シナ合板で箱を作りましてね、その中に1万円ぐらいのスピーカーを仕込むのです。こちらのTANNOYよりずっと安くできますが、音では負けませんよ」
 私は箱の中にスピーカーを入れるだけで、なぜそんないい音が出るようになるのかと質問した。
 「外側はシナ合板の箱でしかありませんが、内側が違うのです。スピーカーの先生にいただいた設計図に従って仕切りを入れていくのですが、その材料と仕切り方を教えに従いこつこつと手を掛け、思いを込めて仕上げていくのです。すると世界で一つのスピーカーが出来上がるのです」。

 次に床下を見て言われた。
 「きれいな床下ですね。こんなきれいな床下は初めて見ました。ここは、お酒を寝かせておくのにもってこいの場所ですね」
 話は予想外の展開になった。
 「古酒はうまいですよ。色が黄色になりますからお燗にして、色も楽しめるように白いお猪口がいいですね」
 「えっ!日本酒の色変わりしたものは腐ったと思っていましたが、そうではないのですね」
 私が驚くと、Mさんは大きく手を振った。
 「いえいえ、とんでもない。酒の先生に教えられて知ったのですが、そこからが旨いのですよ。20年ぐらい寝かせたものなんか最高です」
 ここで私はハッと気づいて尋ねた。
 「あの、Mさんはii-ie.comの談話室の『日本酒!』というテーマに投稿されていませんか?」
 Mさんは、にんまりとして頷かれた。
 「私、楽しみに読ませていただいています」
 Mさんとは、すでに「談話室」で出会っている仲だったのだ。
 私は、特別思いを込めてお茶を入れた。
 Mさんはおいしそうに飲み干してからこんな話を聞かせてくれた。

 「私の仕事は電気工事業ですから仕事柄、たくさんの家の床下や小屋裏を見てきています。どの家も真っ黒のホコリだらけ。夏は汗まみれになり、冬は冷えて腰を痛めます。相当の覚悟をしても、しんどい仕事場です。
 天井で断熱をしている家は、夏は頭を天井裏に入れた途端に汗が噴き出します。グラスウール断熱材の上は埃で真っ黒。あちこちから外からの明かりがもれている。つまり隙間だらけだということです。あれでは暑い、寒いは当たり前です。
 以前に床下にもぐった家は驚きました。すごいホコリでしてね。聞いてみたら、古新聞を粉にして吹き付ける・・・・」
 「セルローズファイバーですね」
 「そう、それですよ。あれは酷かった。もう、耐え難いホコリでしたよ。こんな断熱材をどうして使うのかと腹が立ったのですが、松井さんの本を読んで納得しました。住む人のことを考えたら、とても使えるものではありません。断熱材は松井さんがお勧めの板状のものがシンプルで一番です」。
 呼吸器系の弱い私は、話を聞いただけで息苦しさを覚えた。実際に床下や小屋裏で仕事をする機会がある職人さんたちが、いちばん的確に断熱方法の良否を判別できるのではなかろうかと思った。

 「私は、なんでも自分でやらないと気が済まない性質ですが、家だけはそうはいきません。松井さんという最良の先生がいらっしゃるのだから、その教えを忠実に実現してくれるナカゴミ建設さんにお願いして、『涼温換気の家』を建ててもらいます。
 今日は体感できませんでしたが、久保田さんの話で十分納得できました」。

 Mさんは、来た甲斐があったと喜ばれて帰って行かれた。

                         久保田 紀子

2013年2月3日23時18分

スマートハウスがただになる?


 今日の勉強会は、インフルエンザで二組のキャンセルが出た。
 勉強会が終わったところにやってこられた中年の男性客が、こんな話をされた。

 「妻が、Hハウスと契約寸前まで進めていた話を断ることにしました。すると営業マンが理由を聞かせてもらいたいとしつこく言うので、求めもしないのにやたら値引きを提案するから不安になったと正直に言いました。
 最初に100万円と持ち出し、次に太陽光発電がおまけになり、次にHEMSが、そしてさらに蓄電池もと、つまりスマートハウスがただになると言うのですから不安になりましたよ。
 翌日営業マンが再度やってきました。
 支店長と相談したところ、そのような不安を与えてしまったのは営業としての責任なので、お詫びに解体費用を負担する、その代わり今月中に契約してくれと言うのです。
 契約はできないと言うと、仮契約でいいからしてくれと迫られました。それも断ると、営業マンの態度が変わって、これだけ値引きをさせておいていまさら断るでは困ると言うのです。
 困るのはこちらであって、値引きは当方が求めたのではなく、そちらが勝手に申し出たことであり、最後にまた値引きを提案されたのでは不安というか心配でとても契約はできないと言いました。
 営業マンは、こんな客ははじめてだとあきれ顔して帰っていきました。
 どうしてあんなに値引きをしてでも契約を急ぐのですかね?」

 傍らで聞いていた久保田さんが質問した。
 「奥様はHハウスのどんな点を気に入られていたのでしょうか?」
 「軽量気泡コンクリートがバーナーで熱しても燃えない。構造が地震に強い。上下階の音が気にならない。それとデザインでしょうか。
 いまの住まいが結露でさんざん悩まされていて、クローゼットの中の皮製品や下駄箱の靴などにカビが生えて困っているのですが、営業マンはそれらの悩みはすべて解決されると断言します。ですから妻はすっかり気に入ってしまって。
 私が久保田さんの本を読んで、待てよ、この契約は急いではならないと思いストップを掛けたので、妻はすっかり不機嫌になってしまい、本を読もうともしません。
 私を優柔不断だと非難します。
 とにかく、私が勉強会に参加してくるから、その結果でよく相談しようと出かけてきたのですが、途中の用事が長引いてしまい参加できなかったのです」。

 話を聞いて、久保田さんと二人でミニ勉強会を開いて差し上げた。
 その方は、「来た甲斐がありました。近々妻を連れてきます」と言われ、体感ハウスを見てから帰られた。

                          松井 修三

2013年2月1日23時16分

6つの誓い


●昨日と同じことが今日も、1年先も、5年先も、10年先もできるようにする。
●自分のことは自分でするという強い気持ちを持つ。
●自分のことを自分でできる、自立した生活を過ごせることを幸せと思う。
●しんどいことを厭わない。
●世話になるより、世話をするほうがよいと考える。
●困難があっても、動きつづけるという意思を持つ。

 これは、高齢者でも安心して取り組める運動を通して、介護されない体、死ぬまで寝たきりにならない体をつくるためのノウハウを提供し続けておられる整形外科医・宮田重樹先生の教えである。
 <「寝たきりに」になる人 ならない人>(廣済堂出版)を読んで、先生の教えを実践しようと誓いを立てた。

 翌日、電車に乗ってO邸の上棟現場へと向かった。駅のエスカレーターは利用せず階段を上る。電車に乗ったら立ち位置は、優先席を避け一般席にした。
 ところがである。目の前に座っていた若い女性がすくっと立ち上がり、笑顔で「どうぞ」と席を譲ってくれたのだ。そんなことを微塵も期待していなかったので、私はすっかりあわて戸惑った。
 「ご厚意はありがたいのですが、6つの誓いを立てたばっかりなので、どうかこのまま立たせておいてください」と、そう言うわけにもいかない。
 「いやいや、あの、いやいや」
 私は、我ながら滑稽な恐縮の仕方をした。
 女性は屈託ない笑顔を見せ、好意のプレッシャーがかからないようにほどよい距離を置いてくれた。
 「なんという気配りだろう!」

 座って目を閉じた。すると様々な思いが湧き起った。
 「あんなお嫁さんと同居したら・・・」と、ひとしきり想像してみて思い知ったのは、6つの誓いがうやむやになってしまうに違いないということだった。

 なんにしてもだらしがない。
 一瞬にして席を譲られてしまうとは、言い換えれば、一目で年寄りと見なされたということだ。
 帰りの電車では姿勢を正し、ドアのところに立つことにした。

                          松井 修三

2013年1月31日23時12分

家の中も外も同じ温度の家


新宿区上落合でO邸の上棟が行われた。
最寄り駅までは徒歩5分、下町風情の残る商店通りに面しているので、足を止めてしばらく見上げている通行人が多かった。何人かの人が、「珍しいですね、木の家は!」と驚いたように言っていた。

 昨日、国分寺市で住宅建設現場の足場が倒れ、中央線が5時間に渡り運転見合わせとなった。現場の近くには上棟して間もないI邸があるだけに、他人事でない衝撃を受けた。ツイッターに、「全現場の足場を点検せよ!」と、社長の指示が飛んだ。
 今日の上棟も、安全点検を徹底させ、全員が気を引き締めて取り掛かった。

 上棟の挨拶で、Oさんは次のように話された。
 「今日の上棟を見ていまして、マツミハウジングさんにお願いして間違いはなかったと思いました。
 斜め45度に張られたヒノキの板は、実際に眺めると思っていた以上に美しいですね。私が子供の頃から40年以上住んでいたのは、壁の厚みが30センチもあるようなコンクリート住宅で、なぜか窓は木枠でした。窓周りから侵入する隙間風と、コンクリートの冷えが重なって、思い出すだけでもぞっとするようなたいへん寒い家でした。ですから、私は成人してからもコートって着たことがなかったのですよ。家の中も外も気温が同じだから、寒さに強い体になったのだと思います。

 その家を造ってくれたのは親戚が紹介してくれた業者でした。後でわかったのですが、その業者は土建業が専門で、住宅を建てたのは初めてのことだったそうです。
 今回、家を建て替えようと決心したら話を聞きつけた知り合いがやってきて、有名なHハウスの下請け業者を知っていて、自分が紹介すれば「ベンツ1台分、負けさせることができる」と持ちかけてきたのです。
 言われて私は驚きました。それだけ負けてもまだ利益を出せる大手ハウスメーカーというものが気味悪く思えたので、きっぱりと断りました。そんな家に住んだら、きっと後悔することになると思いました。

 そんなときに、『「いい家」が欲しい。』を読んだのです。読み終わって、この工務店に任せようと半分は気持ちが固まりました。勉強会に参加して、会長、社長のお人柄に接して、絶対にマツミにお願いしようという気持ちになったのです。
 住み心地をいちばんの価値として、健康にいい家づくりをしている。なんてすばらしいことでしょう。木造軸組の家って、見ているだけで身も心も温まりますね。こういうつくりの家に住めたら健康になると実感します。
 暖かい家に住めるということが、とても楽しみになりました。今後も事故やケガのないようによろしくお願いいたします」。

 コンクリート住宅なんて二度と住みたくないというOさんは、大きく深呼吸されヒノキの香りを満喫されていた。

                          松井 修三

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