「いい家」をつくる会 会員コラム

2014年4月4日21時13分

デザイン・涼温換気の家

 4/1に発売された住宅雑誌に涼温換気の家が掲載された。
住宅雑誌はやはり外観・インテリア・デザインが勝負となる。写真は人を惹きつける力を持っている。もちろん魅力的であることは条件です。

 つい見比べてみる。
 大胆な大空間。そしてロケーションを大きく取り込む大きなFIXガラスの壁(窓とも言える)。これは最初にプラン図・スケッチ図をお客様に持って行った時に感動さえして下さるほどのデザインであり、また発想と思って頂ける。この設計者なら自分の求める家を表現してくれると直感する。しかし、どれだけ高性能な断熱・遮熱ガラスを使っても、外断熱の壁よりも熱損失が大きくなるのは否めない。

 ロケーションを見極める。
 家族と家の空間の物語を図の中に落とし込む。
 そして、デザイン的にも美しい。
 住宅に限らず、設計には求められる事です。私も上記のことは常に大切に考えプランは進めます。

 しかし、掲載の各社の共通はそこまでである。
 大気は今は汚れていると考えなければならない。PM2.5も花粉も除去された安心の綺麗な空気として換気で入れ込み、さらにその掃除がとても簡単であること等の家づくりは他にない。

 単に冬暖かい家、夏涼しい家、を謳っている。
 小屋裏にある全熱交換換気システムをCDエアコン。センターダクトを通して将来に渡りクリーンなダクトより得られる安心な空気はこれも他に類を見ない。

 雑誌では空気は見えない。
 生活臭の無い心地良さも見えない。
 家中むらの無い爽やかな暖かさも見えない。
 まして、上質な住み心地は写真では伝えきれない。
 しかしながら、ありがたい事に取材に入ってくれるスタッフ、カメラマン、ライターさん達はそれをいかに伝えるかを懸命に頑張ってくれる。

 デザインは美しくなければならない。
 健康的で安心の空気と心和む上質な暖かさ、涼しさをベースとして成り立たなければならない。
 地球レベルの省エネをも踏まえての家づくりが今後、2020年基準に向けさらに求められていくはずです。
 単なるデザインの世界から住み心地を美しくするレベルのデザインを伝えていきたい。

                 平澤建築事務所  平澤 政利

2014年4月1日22時16分

気候の大変動

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)総会が、横浜で開かれた。

 温暖化にこのまま手をこまねいていると、ある日、想像もできないような気候変動が起こって、悲劇的な結果を招くであろうとパチャウリ議長が総括していた。

 一方、3月25日付の日経科学欄で「温暖化 適応の時代へ」というテーマの記事(上)が書かれていた。「地球温暖化問題で『適応策』という新たな概念が世界で広まっている」と書き出しにある。

 4月1日の(下)で、適応策の一つとして住まいに触れるか否かが気になるところだったが、国家主導でリスクを軽減していくというものだった。

 昨年夏の猛暑や、10月に入ってからの観測史上初の35度超え、そして今年2月に体験した120年振りの大雪の被害などから、対応策はいろいろと学ぶことが出来た。しかし、「適応策」となると話は別だ。私には、気候大変動についての知識は極めてわずかしかないが、家づくりに携わる立場では、対応策は出来る限り究めなければならない。

 「歴史を変えた気候大変動」ブライアン・フェイガン(河出書房新社)によれば、すでに14世紀に入った頃から、異常気象が頻発し、寒暑の差が激しく、大洪水や大雪に見舞われた経験を、人類はしてきていることが物語風に描かれている。

 その当時の住まいと比べれば、「涼温換気の家」は夢の世界であろう。が、裏返して考えると、それだけの気候変動を体験してきているにもかかわらず、住まいの対応があまりにも遅れている。

 最新の省エネ基準では、太陽光発電を搭載するとエネルギー的な課題はクリアできてしまうが、少々の気候大変動にびくつくことなく安心して住める家とは程遠い。

 これからの造り手がまず大事にすべきは、いかに気候が変化しようとも住む人にきれいな空気を供給することである。この点では、「涼温換気」は及第点が取れる。では、「寒暑の差」についてはどうか?

 これまでの体験では及第であるが、これから起こるとされる想定外の気候の大変動には不十分であると思われる。そこで、4月16日に開催予定の「いい家」をつくる会セミナーでは、断熱強化策をテーマにした。

 外張り断熱をして、構造体の外側に気密・防湿ラインを構築する我々にとっては、構造体の内側に断熱材を付加することは容易である。

 マツミではすでに3年前から、性能表示制度の最高の耐震等級で付加断熱(ダブル断熱ともいう)の施工を、希望するお客様の家で実施している。

  IPCCのパチャウリ議長の演説する眼差しには、近い未来を見通すかのような迫力を感じた。この際、警告を素直に受け止めて、会としても「ダブル断熱」を標準化していくべきであろう。
                        松井 修三

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