「いい家」をつくる会 会員コラム

2014年11月17日14時56分

8刷【「いい家」が欲しい。】

 先のブログでも触れましたが、平成26年11月14日に【「いい家」が欲しい。】8刷が発行されました。なぜ、この本がこれ程のロングセラーであるかは、家を求める人側から書かかれた本物の書であるからだと思います。

 今でこそ、住み心地の良い家は外断熱の家であると世の中が認知するようになっていますが、まさにその原点となる外断熱の家を書いたのが、この【「いい家」が欲しい】である事はご承知のとおりです。
 この本は建築業界に大きな波紋を呼びました。その後「いい家」というキャッチコピーが氾濫するようになったほどです。
 外断熱の価値や意味を強く伝えたこの本の著者でもある松井修三氏の一貫した住み心地の追求の中で、ソーラーサーキットの家、そし てSA-SHEの家、さらに進化させた「涼温な家」となっています。

 それは、ご存じのとおり、建物を外断熱にして気密を取り、断熱性能を上げて、そこに計画換気をして住み心地を高める道のりでもありました。
 大手ハウスメーカーさえ一考し、後追いで類似系のシステムまで宣伝するまでとなったのです。これだけ影響力のある【「いい家」が欲しい。】の本ですから、当然この本を叩く本さえ多く出版されました。

 涼温な家は、この本の精神の中から生まれたものであり、外断熱からの展開である換気の進化の家です。
 特許「センターダクト」による第一種全熱交換型換気にCDエアコンを加えた「涼温な家」は、【「いい家」が欲しい。】が発売された15年前からの思いの「カタチ」なのです。
 今まで改訂を都度行いその現状に適した文面として、常に発信している本でもあります。
 その改訂がタイムリーに常に行われているため、【「いい家」が欲しい。】の本は、いつ読んでも衝撃的で尚且つ時代の真髄をついた建築本として、高く評価されているのだと思います。

 住み心地を追求し、住む人を主体としているからこそ、これから先もずっと、家をつくろうとされる人にとって共感でき、助けとなる一冊であり続けると私は確信しています。
 「いい家三部作」も合わせて読まれてください。
 より【「いい家」が欲しい。】の本を理解できることになります。
 この時代だからこそ、8刷の【「いい家」が欲しい。】が、求められることが必要なのです。

           平澤建築事務所  平澤 政利

2014年11月17日10時52分

美しい空気

 11月11日(火)の松井修三氏のブログを改めて見て頂きたい。

http://180.222.85.213/blog/2014/11/post-2138.html

 私もこのところ感じることは、大手ハウスメーカーを始め、あちこちのビルダーのキャッチコピーには「空気」・「換気」の言葉が多く使われるようになって来ているということだ。

 その中で、パナホームは「美しい空気と暮らす家」である。
 先日の全国版の新聞には大きくカラーで、その「美しい空気」のイメージ写真が載っていた。
 赤ちゃんが安心して育てられる美しい空気の家は見る人の気持ちを引く。
  特に、家族の健康を大切に考える方なら、なおさら注目の家だと感じるでしょう。
 パナホームは家を視覚とイメージで伝えている。さすが大手ハウスメーカーの宣伝力はレベルが高いと思った。

 システムの詳しい事はメーカーのホームページと、松井修三氏の11日のブログを読み合わせて見ると、よりわかりやすいはずです。

 「美しい空気」と「心地良い住み心地」は一体となるべきことなのです。 定期的な掃除のしやすさは、空気をテーマにしたら必ず行なって頂くことになる。 将来にわたって掃除がしやすい事が求められる。

 暖かい家・全館暖房・換気システム・省エネ住宅等のカタログが目に留まった方は、ぜひその時に最新の【「いい家」が欲しい。】を読んで頂きたい。
  (平成26年11月14日8刷発行)

 そこには建てる人の目線から、つまり住む人側からみた家づくりが書いてあります。
 どう考え、どう造るかを絞り込む時に、今改めてこの本に目を通すことをおすすめ致します。
 さらに深い部分は「涼温な家」の本となっていると、私は思っている。

              平澤建築事務所  平澤 政利

2014年11月13日07時31分

客の心を和ませるもの

 とあるレストランで昼食を食べていたときのことだった。
 空いた皿を下げる際に、若い女性の店員さんが「お預かりします」と言った。
 一緒に食べていた友人も、私もその一語にギクッとした。友人が言った。

 「私の高校生になる孫は、スマートホンでラインというツールを使って、ひっきりなしに友人とコミュニケーションを取るのだそうです。そのとき大事なのは、いかに言葉を省き、ユニークな造語を用いるかだそうです。文章を見せてもらいましたが、解説がないと意味が解らなかったです。
 そして、自分の心情はスタンプという絵で表現する。いまの『お預かりします』もそんなところから出たのですかね」

 「先月、イギリスに行ったのですが、店員さんは、『Finish?』とちょっと語尾を上げて尋ねるんです。直訳すれば『終わりか?』なのでしょうが、あの方がはるかに自然でいいですね」
 「お預かりしますはないですよ。帰るときに、あの皿を返してくれるのでしょうかね」
友人の冗談に思わず笑ってしまった。

 「普通には『お済ですか?』でしょうね」
 「そうそう、私はあるレストランに入る度に気になることがあるのです。それは、店員さんがやってきて、両手をおへその辺りで重ねて、慇懃にいらっしゃいませと深々と頭を下げて挨拶することです。その姿勢は、滑稽なほど型どおりでしてね、心が籠められていない」
 「それは、スーパーのレジの女性もやってますね。たしかに、あの姿勢にはいつもよそよそしさを感じます」
 「私の女房に言わせると、そんなことを気にするのは年寄りの証拠だ、となるのですが、あんな仕草をマナーとして提案するコンサルタントがいるのでしょう。そして、それをサービスだと勘違いする経営者がいる。
 彼女たちに共通しているのは、そのポーズをとる瞬間に笑顔がない。
 『フィニッシュ?』には、たいがいウィンクするような微笑があるのです。どうです?おいしかったですか?というような。だから、気分がいい」。

 心のこもった笑顔ほど、客の心を和ませるものはない。

                 松井 修三


2014年11月10日11時08分

第一種全熱交換型換気は不要か?

 

(イギリスで使われている第一種熱交換型換気装置MVHR)
 北村忠男著/住宅づくりの新しい常識という副題のついた「高気密木造住宅をもっと知ろう」(幻冬舎ルネッサンス)を読んだ。
 木造軸組住宅の高気密化の必要性を訴えている点は、高く評価していい。高気密化を図れば、「換気」が必要になるという流れも異論はない。
 しかしである。
 第一種全熱交換型換気についての下記の見解には、大いに疑問を覚えた。

 <参考までに衛生面では、ヨーロッパ各国では住宅用熱交換器の方式に関して1970年代から全熱交換方式は非衛生的と断定しており熱交換方式は「顕熱方式」を使用しています。
 それは「全熱交換器は、排気空気内の水分や汚染物が全熱交換器のエレメントを通過してしまい、衛生的であるべき給気側に汚染物質がリーク(漏れる)する」という理由からです。衛生上の点で給気を長いダクトで行う事や、熱交換器の利用はいずれもその構造内にカビ等が繁殖する事を防げず、シックハウスの原因となる事が長い経験から判明し、1990年代初めにダクト内の清掃を強制化する法律が出来ました。>

 この話は、私が機械換気の必要性に目覚めた1992年頃には、日本の住宅業界でも知られており、そのためほとんどの造り手は、給気にダクトを必要としない第三種換気を選択した。
 しかし考えてみれば、全熱交換の過程において5%前後のリークやリターンがあるとしても、生活上の不都合はほとんど感じられないし、それをもって不衛生だとは決めつけ難い。第三種のデメリットと比較すると問題にならない。

 ヨーロッパで全熱交換が採用されないのは、当初の機械の性能に問題があったのと、何よりの理由は気候的にその必要性がほとんどないからである。
今では、これまでに再三紹介したようにヨーロッパ・北欧では顕熱交換型第一種換気が常識化しているが、北村さんは、「熱交換器換気装置は本当に省エネなのか」と、観念的な疑問を呈し、「エネルギー的にも地球環境にやさしくなく、省エネルギーの優位性はない」と断定している。

 ヨーロッパで、こんな考えを披露したら笑いものになりかねない。
 どうやらこの方の思考は、熱交換効率60%程度でしかなかった20年前で停止してしまったようである。
 最近では、日本の津軽海峡以南に於いて、全熱交換はエネルギー的にも快適さにおいても必要であるという認識の高まりを否定するわけにはいかない。
それは「涼温換気」が、ゼロ・エネルギー化推進事業補助金交付に採択されたことからも頷ける。北村さんの意見が正しいとしたら、国土交通省が採択するわけがない。

                     松井 修三

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