「いい家」をつくる会 会員コラム

2015年7月10日22時35分

窓を開けざるを得ない家

 過日、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」が、「死に至る!肺を破壊・・・要警戒、危険なカビ」を放映していた。

 「死に至るカビ」として最初に紹介されたのが、鳥のフンに多く含まれる「クリプトコッカス」で、土中に広く分布しているそうだ。
 乾燥して人の体内に入り、増殖して肺炎、脳炎、髄膜炎などを引き起こす。
 体力のある人は問題ないが、免疫力の弱い高齢者は危険だという。
 致死率は12%で、2013年はこのクリプトコッカスが原因で32人が死亡しているとのこと。

 6月6日から梅雨入りした都内の7月2日までの平均気温が22度、平均湿度は78%。カビの繁殖条件は気温が20から30度で、相対湿度は70から80%が最適である。
 台風9号・10号と連続発生し、ここしばらく梅雨が明けなければカビにとっては好条件が続くことになる。

 次に紹介されたのが、「アスペルギルス」というカビで、ある60代の男性は、肺を冒され生死の境をさまよい未だに酸素ボンベや大量の薬が手放さないと嘆いていた。
 カビの中で最も怖いものだそうで、死亡率が30から60%、治療しなかった場合は95%以上が亡くなるという。

 そこで、部屋の中の空気の淀みをなくすためにしっかり換気を行い、こまめな掃除が欠かせないとのアドバイスがあった。しかし、うっかり窓を開けると「クリプトコッカス」だけでなく、赤カビの一種「フザリウム」が浸入する恐れがあるという。
 目の角膜に感染することがあり、痛みや充血の症状が出て角膜真菌症を起こす。このカビは土の中や植物に寄生しているというのだから、窓を開けざるを得ない家は、健康リスクが高いと言える。
 通風頼りで、「エアコンのいらない家」などという奨めには乗らないことだ。

 拙著「涼温な家」に登場する上山さんは、「フザリウム」の被害に悩まれていた。「涼温な家」にリフォームしてから症状が日に日に改善したと言われている。

 梅雨の時期、むしむしする日には、私は「涼温エアコン」を40%節電・風量/弱・25度か26度設定で適当に働かせている。
 冷えすぎることなく、さらさらした空気感が実に快適だ。なにせ6畳用程度の能力で、100畳もの広さを快適にしてくれるのだからありがたい。部屋のドアは、どこも開けたままだが
 窓は閉め切っている。
                      松井 修三

2015年7月6日21時09分

室内浮遊粉塵

 テレビ朝日の番組「林 修の今でしょ!講座」を、過日たまたま見ていたらホコリが取り上げられていた。
 お部屋の掃除の悩みを科学の力で解決しようというものだった。掃除の際の悩みで上げられた3つが「油汚れ・ホコリ・カビ」。
 この中で、私が興味を持ったのは「ホコリ」だった。
 街頭インタビューで答える奥様達は、「掃除してもすぐホコリだらけになります」「窓が閉まっていても、家の中がザラザラです」「ふだん、あまり掃除していないところなんかを手で拭うと、ホコリがすごくてビックリします」「子供が喘息なのでホコリには気をつかいます」などの声が聞かれた。

 番組ではまず、「ホコリって何なのだろう?」から始まった。
 ホコリは謎多き物体だとしながら、ホコリの正体は色々なものが混ざった集合体で、とくに繊維が骨格となって他の汚れが絡まっている。
 顕微鏡に拡大された映像には、繊維に人毛、ダニの死骸がからまっていて思わず「うぇー」と声を上げたくなった。
 家庭内のホコリ成分は、繊維が約55%、砂、土砂が約30%、食物、ダニ、フケなどが約15%で構成されているそうだ。
 そのホコリ1グラムの中に、なんと、ダニの死骸や糞が約2000匹分、カビの胞子約3万個、細菌約800万個が含まれているという。

 次が、「ホコリがすぐに溜るのはなぜ?」だった。
 ホコリは常に身の回りにあって、人やペットと一緒に生活をしている。
 スタジオ内を暗くして、特殊カメラでホコリを映し出す。コメンテーターの周りには無数のホコリが浮かび上がった。
 人が服を着脱したり、絨毯の上を歩いただけでも驚くばかりのホコリが発生した。

 肝心なところはここからだった。
 室内のホコリは、いつまでもふわふわと浮いている浮遊粉塵と、床に落ちる堆積塵に分けられる。問題なのは、この浮遊粉塵。健康に悪影響を与えるという2マイクロメートル(0.002mm)以下の大きさのものは、無風の状態であれば1cm落ちるのに1分かかるという。それらが落ち着くまでには5から6時間はかかるだろう。寝返りを打っただけで、布団の上に積もった粉塵が舞い上がる。夜中にトイレに行けば、せっかく床に落ち着いた粉塵も舞い上がってしまう。
 ということは、寝ている間中、粉塵を吸い続けるということだ。

 「涼温な家」であれば室内の天井に設けられた排気が見事なほどに浮遊粉塵を吸い出してくれる。その分、浄化された新鮮空気が供給されるので、寝ている間に吸い込む浮遊粉塵は激減する。

 「全館空調」は、吸い出すべきところから給気するために、浮遊粉塵がぐるぐる室内を回って常に寝ている人の顔の上にと降り注ぐ。換気の経路を逆転させないことには、この問題は解決できない。
 「無垢の木と漆喰を用いれば、空気がきれいになる」とか、「自然換気が健康に一番」などと非科学的なことを未だに言い続けている造り手がいるが、浮遊粉塵が健康に与える影響については口をつぐんでいる。
 「無添加住宅」、つまり化学物質を一切揮発しない自然素材で造るといくら自慢しても、室内浮遊粉塵は減少するものではないのだから、うかつに「健康住宅」と言うべきではなかろう。
 コメンテーターに成り代わって書いてみた。

                       松井 修三

過去のコラム

page top