「いい家」をつくる会 会員コラム

2016年8月2日15時19分

省エネ・ゼロエネの前にシロアリ対策




 「いい家をつくる会」では、シロアリ対策の「MP工法」の研修会を行った。
 薬剤を用いない物理的防蟻工法として開発された特許「MP工法」は、各種の耐蟻試験を経て信頼性は確認されているが、安全性を確保するには施工の精度を高めることが絶対に必要だ。
 「基礎外断熱は、シロアリ対策なくして行ってはならない」という信念の持ち主たちのまなざしは、みな真剣そのものだった。

 冒頭、ドイツ・フロイデンベルグで見た木組みの家の被害を紹介した。これは白蟻によるものではないが、住人は耐震性を心配するのではなく、美観が損なわれたことをとても残念がっていた。

 省エネを追及し、地球温暖化防止のために尽力することは大事だが、「涼温な家」の造り手は、その前に、白蟻から住む人の幸せを守ることをしっかりと学ばなければならない。シロアリによる被害は、耐震性に著しく影響する場合が多いのだから。

                       松井 修三

2016年8月2日15時09分

パッシブハウス





 フランクフルトの中心街から、車で30分ほど走ったところで「パッシブハウス」と認定された建物だけが建てられている住宅街を視察した。
 年に3日ほどしかないという35度近い暑さは、夜来の雨で和らいだが、午後には日差しがあり、27度・湿度75%の気候だった。
 戸建て・2戸長屋から4階建てまでの街区は、どこもシンプルな外観の箱型ばかりで、外壁のアクセントに用いられた色彩のセンスの乏しさが気になった。
 どれも一様な外観に変化を付けるには、外装材の選択しかないと言わんばかりのデザインは、すぐに見飽きてしまう。
 屋根が見える住宅も建てられていたが、日本の建売住宅の方がずっとおしゃれなものが多い。

 ほとんどの住宅の窓が、内倒しで開けられていた。エアコンを使わないので、暑さをしのぐには窓を開けるしかないのだろう。

 「パッシブハウス」とは、ダルムシュタットにあるパッシブハウス研究所(PHI)が求める省エネルギー基準を満たしていると同所が認定した建物で、わが国ではこの住宅こそが理想だと主張する建築家や工務店主もいる。
 人の発熱量だけで暖かく感じることができるほどの断熱性能に優れているというのだから、皮膚感覚が鋭敏な人や、暑さに弱い人はつらく感じる時期があると思うのだが、住人に言わせると、そんな時期は年に1週間あるかないかなので気にならないという。

 家は、その土地、その家族に合うように造られるべきものなのだから、ドイツではそれでいいのだと思った。しかし、「涼温な家」が最高の住み心地を発揮する地域では過剰性能であり、「過ぎたるは及ばざるごとし」を痛感することになると断言できる。
 住む人の感受性を二の次にして、省エネ性能や建築物理を最優先する家づくりを私は理想とはしたくない。

                       松井 修三

                    

2016年8月2日14時24分

多くなる類似システムのアピール

 以前、私共が住宅設備資材等を購入しています、中堅大手商社の重役が新潟に来られた際、挨拶に寄りたいとのことで来社されたことがあります。
 当社の体感ハウスの床下、各部屋、小屋裏までを一通りご覧になられてから、住宅業界の現況等の話になりました。
 平澤のところの近況を聞かれた後に、その商社が扱う、省エネ換気システムの話を始めました。

 テーブルに綺麗な資料を広げ、それを覗き込みました。
 その後に平澤建築事務所でつくっている「涼温換気の家」との差について、私の意見を求められたのです。

 言葉に詰まってしまいました。

 そのシステムのパンフレットとは、床下に全熱交換器を置き、入って来る外気を熱交換して床下に直接吹き出す方法だったのです。

 汚染された室内空気は、床付け排気グリルからダクトを通し、全熱交換器に集められて熱交換された後に排出されます。
 給気は、基礎上外壁部分に取り付けられたフードからであり、そこにフィルターが設けてあります。
 花粉を除去して、新鮮外気を家の中に入れる方法と説明されました。
 PM2.5は粒子が細かいせいか、その除去については記入されていないと感じました。

 「涼温な家」のように、パンフレットには夏と冬のシステム概念図が描かれています。
冷房、暖房は各部屋にそれぞれ設置する個別エアコンで行うのですが、不快な風や音、台数については触れられていません。

 35坪位の住宅でも、必ず4、5台の個別エアコンが必要になると想像ができます。
 よって、省エネの記入とは如何なものかと感じてしまいます。

 しかしながら、国が定めるゼロエネルギー住宅認証の計算式には有利な数値が出るやり方となっているところがみそなのです。
 住み心地への配慮は見当たらないが、数値は魅力的表示となることでしょう。
 ここが選択の問題となるところです。

 失礼だが、我々の家づくりのコンセプトと次元が違い過ぎる為、話しは消極的に聞いてしまった。
 参考までに、平澤の勉強会で使用している空気環境スライドの一部をお見せしたら、重役の言葉数が少なくなってしまった。

 深い理論と総合的温熱環境を理解なく聞くと、つい頷いてしまう様な美しいパンフレットが氾濫しています。

 この件も1つの提案にしか過ぎませんが、飛びつきたくなるような空気の概念図でありました。
 今後益々、空気や温熱環境、省エネ換気等を打ち出したシステムの家づくり情報が多く流れて来ると予測できます。

 求める家を絞り込む為には、その空気環境や空気の質、淀み、内部の臭いを体感する事が不可欠となってきます。

 アピールの氾濫する中で、言葉とパンフレットの怖さを感じた次第です。

 全ては体感であり、営業トークに耳を傾けることと同時に、ご自身の体感をもって家づくりを判断されるべきだと思います。

 涼温な家は、脳を活性化させます。
 健康増進に必ずや役立つ家と言えます。
 ぜひ、7月、8月には時間をつくり体感にお越し下さい。

 あるのです。
 このような「住み心地のいい家」が。
            平澤建築事務所        平澤 政利

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