「いい家」をつくる会
コラム
2013年9月5日23時12分
東京オリンピックに思う

(「The City」に建つ有名なロイズビル。リチャード・ロジャースの作品)
昨年9月にロンドンへ旅をした最終日、フライトまでの残り時間で、タクシーをチャーターして走り回ったのが金融街として名高い「The City」だった。
ロンドンオリンピックがもたらした好景気のおかげで、これからも観光客を呼べるようなおもしろいビルがどんどん建つと運転手は自慢していた。
昨日のテレビで、そのビルの一つがとんでもない迷惑をもたらしていると報道された。
「20 Fenchurch Street」だ。通称「トランシーバー」と呼ばれている。
建物に施された全体の窓が凹形になり、それが日光を反射させ、建物反対側に駐車したジャガーのサイドミラーや車体を溶かしたという。また他の店舗では、入り口付近の絨毯を焦がしたなどと様々な迷惑が伝えられている。
造る側は、その凹みを時代の先を行くカーブなのだと誇っているそうだ。
よりスマートで、時代をリードしているデザインなのだと。ネットニュースによれば、類似した問題が3年前にもラスベガスに同じ設計者によって新築されたホテルであったという。ユーモア精神旺盛なロンドン市民は、この迷惑ビルに「焦がすトランシーバー」とあだ名を与えたとのこと。
きっとタクシーの運転手は、迷惑ビルのおかげで収入が増えるようになっているのかもしれない。
さて、2020年東京オリンピック招致の結果発表はいかに?である。
1964年に東京オリンピックが開催されたとき私は4歳だった。何も記憶がない。
アルバムの中のモノクロ写真はセピア色で、聖火ランナーを見送る父に抱っこされた私がそこにいる。
あの時代のように、オリンピックによって劇的な経済効果がもたらされ、日本中に活気が出れば喜ばしいことだ。丹下健三さんによる第一国立競技場のように、世界に誇れる建物がきっと誕生するに違いない。「焦がすトランシーバー」のようなビルはご遠慮願いたい。
そして何よりも、東日本大地震の被災地に復興の弾みがつけばと思う。
久保田 紀子
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