ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

201241008時22分

主婦が求める「いい家」とは?

茨城県からYさんというご婦人が成人した娘さんを伴って体感に来られた。

東日本大震災で自宅が半壊となり、つい最近撤去作業が終わったのだそうだ。


住む家が姿を消してはじめて、新たな家の建築に取り組もうという覚悟ができた。しかし、どのような家を建てたらよいのかが分からない。

住宅展示場へ行ってみた。何かがずれている。ピンとくるものが見当たらない。


そんなとき出合ったのが<だから「いい家」を建てる。>だった。

続いて<さらに「いい家」を求めて>を読んだ。そして<「いい家」が欲しい。>を読んで「体感ハウスへ行ってみよう!」と決意する。


西東京で建てるUさんとの契約が終わって、二階でコンビニ弁当を食べているところに久保田さんがやってきて、そのような経緯をざっと紹介してくれた。

「今朝6時半のバスに乗って東京へ出てこられたそうです。お会いになってみられませんか?」


品のいい50歳前後のご婦人は、小気味良いほど意思が明確で、直感で物事の良し悪しを判断する人に見えた。娘さんも、母親と同じ性格のようだった。


契約されたUさんが、「久保田さんの本に母親が後押しされて契約にたどり着くことができた」と言われたのを思い出し、瞬時に勉強会を開いて差し上げようと決めた。


母と娘のための勉強会は、久保田さんとの感性が見事に触れ合い、聞いていてアドレナリンが分泌するのが分かるほど盛り上がった。

終わってご婦人は娘に言い聞かすように、

「家は、安直に造ってはいけません。安直がいちばんダメなのよ」と言われた。

「そのとおりだと思います。安直がいちばんダメ」

私がオウム返しに言い、四人が笑った。


Yさんが帰られてから、「安直」という最近使い慣れない言葉を大辞林で引いてみた。そこには、このように説明されている。

「 値が安いこと。金がかからないこと。また、そのさま。十分に考えたり、手間をかけたりしないこと」。


いま、売れて笑いが止まらないという「ローコスト住宅」がぴったりだ。造り手たちは「置くだけの家」と言い換えて憚らない。しかし、「家は、安直に造ってはいけません」と、感性で言い切る主婦がいる。


「これからは感性の時代」

久保田紀子さんの本の副題である。



松井 修三

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