ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

201251514時49分

岡山県の運船建設さん

「いい家」をつくる会/岡山県/運船建設さんの勉強会に昨日招かれた。

会場の住み心地体感ハウスの目先のところには、ダイワハウスが堂々たる倉敷支店を構えており、その道路の反対側にはローコストが売りのエスバイエル・カバヤホームがあった。


いま、家づくりのキーワードでもっとも注目されているのは、ダイワハウスが「新三種の神器」とする太陽光発電・蓄電池・HEMSを備えた「スマートハウス」と、「ローコスト住宅」である。いずれも、補助金とエコポイントがカンフル剤(駄目になりかけた物事を復活させるために使用される手段」)となって売れに売れている。


そのような環境にあって、「新換気SA‐SHEの家」にお客様の関心を惹けるのだろうか?


心配は杞憂に過ぎなかった。

予定通り満席となり、お客様はみなさんが熱心に聞いてくださった。

http://www.unsen.jp/


運船建設の社長である三好宏昌さんが創業者である父親から会社を引き継いだのは3年前だそうだ。息子に会社を託すに至るまでの親子の葛藤は半端ではなかった。匠である父親は、磨き上げ鍛え抜いた腕を誇り、材料の仕入れから造りの細部にもとことんこだわり、一切の妥協や横着を嫌い、より良い家造りを追及し続けていた。そんな父親からすれば、息子がどんなに努力しても物足りなく、歯がゆく思えてならなかったようだ。時には、父の全身全霊をこめた説教のあまりの鋭さと重みに、真っ向から相対する息子は気を失いかけたこともあるという。家づくりの心構え、精神の真髄を伝え尽くして引退した父親は、その後は息子が相談しても「おまえの思うとおりにやればいい」とだけ答えるそうだ。


「松井さんと私の親父は、仕事に取り組む姿勢がそっくりです。まあこの程度でもいいという手加減がないですから、周りにいる人たちはしっかり覚悟を決めないとついていけません」

そう言って笑った三好さんの笑顔に、これまでにも増して親しみと信頼を感じた。


帰りの新幹線の中で三好さんの話を思い返し、わが身に当てはめてはいろいろと考えさせられた。小さな工務店主が、後継者を育て、「スマートハウス」や「ローコスト住宅」が乱立し跋扈する業界で、真に「いい家」を訴え、生き延びていくことは生易しいことではない。


「新三種の神器」などと、アクセサリーにも等しいものに補助金をつけてもらって売りまくり、創業以来最高の利益を上げたと自慢しているサラリーマン社長とはわけが違うのだ。



松井 修三

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