ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

201210611時55分

TT大活躍

朝6時半に、TTに乗って横浜体感ハウスから横浜市栄区のS邸へ向け出発。

連休の初日とあってか16号は、想定外の渋滞だった。7時半に現場到着。

8時10分前に近所の奥さんと、「おはようございます!」と明るく挨拶を交わしながら、近くに仮住まいしている大工さんたちがやってきた。もうそれだけで、仕事ぶりが察せられた。新潟の木下工務店さんから研修に来ている伊藤さんと酒井さんだ。

責任感にあふれた丁寧ないい仕事をしている。

ベテランの伊藤さんは、小学校5年生になる娘のことが心配で、先週の日曜日に新潟に行ってきたという。

子育てについて、仕事台を囲んで私は経験を話した。

「真直ぐに育てようとしないことだ。いいんだよ。この台の上ならどこをどう走ろうと、こっちに落ちそうになったら母さんがちょっと押してやる。そっちに落ちそうになったら、父さんが押し返す。台の中心を真直ぐ歩く子よりも、人情がわかるたくましい人間に育つ確率が高くなるんだよ」

「そう言えば、突っ張ってたやつほど本当は心が優しくて、仕事をやらせるとがんばりますね」

「伊藤さん、それは自分のことだよね」

独身で無口な酒井さんが大きく頷き、三人は大笑いした。


次は、神奈川県伊勢原市のT邸に向かう。途中大渋滞にはまって到着は10時過ぎ。40年来の付き合いになる基礎屋である前田さんの二代目兄弟が、鉄筋を組む仕事に精を出していた。

たまたまTさんご夫妻がいらっしゃって「これが例のTTですね」と近寄って来られた。

お茶をいただきしばらく歓談したのだが、会うたびに心の中に広がるのは、「神様、こんな素晴らしいお人柄のご夫妻と出会えたことに心から感謝します」という思いである。


生まれ故郷の厚木には、大工の郷さんが腕をふるっているT邸がある。

現場に近づくと工事の音が聞こえてくる。その音を聞くと、大工さんの心意気と体調がわかる。郷兄弟が打ち出している音は、小気味よく元気にあふれていた。

マツミの大工さんたちは、みんな腕は確かだが、その二つが常にベストコンディションとは限らない。

私の主な役割は、大工さん、職人さんたちのモチベーションを高めることだ。

オーケストラの指揮者と同じである。


レナード・バーンスタインが、1979年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した「マーラーの交響曲第9番」の出来栄えのように、どの現場でも最高の指揮をとりたいのだ。

その思いを実現するために一番大切なものは、お客様との相性である。相性が合わないことには、どんなに力んでも成果が上がらない。

ありがたいことに、いいお客様に恵まれる。自分は運が強いのだ。

そんなことを思いいつ、東名高速道路を快調に走り抜け世田谷のH邸へ向かった。


現場にはご夫妻が外構の打ち合わせに来られていて、私の顔を見るなり奥さんが「イギリスはどうでしたか?」と笑顔で質問された。

私は、一瞬、指揮を中断し外国旅行に出かけてしまったという後ろめたさを意識させられ、返事がしどろもどろになってしまった。そこで質問を返した。

「いかがですか、お家の出来栄えは?」

ご主人が満面の笑みで答えられた。

「大満足です。もう少しで完成ですね。早く引越ししたいです」

私はほっとした。


最後は、「涼温換気」第1号となる三鷹市のM邸である。今日、試運転が始まっている。幸いなことに今日は30度前後の暑さだった。日本最初の、いや、世界で最初のお客様にお引き渡す「涼温換気の家」である。

どんなあんばいか。TTは、はやる気持ちを知ってか快調に走り続けた。

松井 修三

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