ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

2012101112時08分

「涼温換気」の問題点

朝晩、15度を下回る冷えを感じる季節になってきた。

引越し前の東京都三鷹市のM邸の今朝の温度は23度、湿度48%。新築の臭いがほとんどせず、空気は実に爽やかだった。

Mさんの奥さんが久保田さんに尋ねられた。

「今年の夏、涼温換気はいかがでしたか?」

「快適でした!更年期障害が楽になるんですよ。冷感ではなく、涼感がすばらしいからです。いまは、新換気だけの状態ですが、外の温度が15度ぐらいに下がっても、家の中はどこも23度前後、湿度が55%ぐらいです。ご新居も同じようですね」

「思い切って、工事の途中で涼温換気に変更していただいたのです。来年の夏が楽しみです」

「その前に冬が来ますよ。涼温の温感を先に味わっていただかなくてはりません」

と、私が口を挟むと久保田さんが言った。

「ええ、ええ、私もまだ温感は自宅では味わっていないので楽しみです。寒くなったら、温感について感想を話し合いましょう」。


そう言えば、横浜の実験棟以外で体感しているのは私と女房だけなのである。今年の冬、女房はいつも素足にスリッパ、極度の冷え症である私は厚手の靴下を履き、書斎のデスクの下に小さな電気マットを置いていた。

温かさは、エアコン暖房の「モワーッ」とした感じではなく、クレダやユニデールに似て放射暖房のようであるのに感動させられた。

私が少し寒く感じると言うと、女房はたいがい暑いと言った。

外気温がマイナス6度を記録した日の前後1週間ほど、玄関ホールにある蓄熱式電気暖房機「クレダ」のスイッチを入れた。翌朝、女房はすぐに気付き、「つけない方が気持ちいい」と苦言を呈した。


問題は加湿である。考えられる方法はすべて試してみた。たどり着いた結論は、センターダクトの給気口の周りに気化式の加湿器を置いておくのが一番厄介でなくいいということだ。加湿された空気は、「新換気」の経路に乗って拡散していく。

しかし、加湿については一概にこれが最善だとは言えない。それぞれの家で、置き方を変えたり、台数を加減したり、洗濯物を干したり、観葉植物を置いたりして工夫していただきたい。


システムに加湿機能を付加することが一番手っ取り早いのは分かっているし、実験もしているが、いまのところはお勧めできない。他社のもいろいろと研究してみたが、カビや雑菌の発生、維持管理などに関して安心なものは見当たらないのだ。

だから、「加湿もできる」に飛びついてはいけない。


もともと喉が弱い私は、季節を問わず寝るときはマスクを掛けることが習慣づいているのだが、それでも乾燥を意識したことが何日かあった。

もっとも、第三種換気の「ソーラーサーキットの家」のときにも、思い出せば同じように感じたものだった。

しかし、「どのような家に住もうとも、乾燥の問題はついて回るのである」と言って済ますわけにはいかない。乾燥に私以上に敏感な久保田さんが「温感」を体感して、来年の2月頃、Mさんの奥さんとどんな会話を交わすのだろうか。

松井 修三

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