ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

2012101712時17分

「ソーラーサーキットの家」を「涼温換気の家」へ

8年前に「ソーラーサーキットの家」としてお引渡しをした横浜市都筑区のI邸を訪問した。

特別の不満はなく快適に過ごしているのだが、松井さんのブログで紹介されている「涼温換気」について話を聞いてみたいとのことだった。

I邸は、南・東・北側が畑に囲まれており、清々とした環境が秋の青天の下でひときわ美しく見えた。

ただ、二階の窓が1か所開いているのが気になった。


3年前、奥さんの葬儀に参列して以来ご無沙汰していたので、松井さんも是非お線香をあげたいと同行していた。その後の暮らしの様子、二人の息子さんたちのこと、将来のこの家のあり方など話は尽きなかった。

途中、足元に気配を感じたので見やると一匹の猫がまとわりついていた。

名はトロといい、メルボルンに住んでいた二男さんが8年前に連れ帰ったそうだ。奥さんを母親のように慕い、奥さんもわが子のように可愛がっていた。

トロちゃんにまつわるエピソードを語るとき、Iさんの表情は奥さんがいまも傍らにいるかのように和らいでいた。


二階の窓が開いているのは、そこがトロちゃんの部屋になっていて、臭いが気になるからとのことだった。私の本に書いてあるように、「ソーラーサーキットの家」では、床下ダンパーや窓を1か所でも開けてしまうと換気の効果が得られなくなってしまう。

臭いを気にしてトロちゃんの部屋の窓を開けると、家全体の空気がよどんでしまうのだ。

そのままにして出かけてしまい風が強まると、周りの畑の土埃が入ってきて帰ってからの掃除に苦労してしまう。窓がすべて閉まっていても、壁にある5か所の吸入口から、多少の土埃と冷気・湿気・飛行機の音や風の音が入ってくる。

最近、それらも気になりだしているという。

私は話を聞いていて、「涼温換気」にリフォームするならば、Iさんの悩みは見事に解決されると思い、自分の体験をお話しした。


トロちゃんが生まれたメルボルンは、「世界の都市で、どこが一番住みやすいか?」の質問でベストワンに選ばれたところである。もし、「涼温換気」にするならば、トロちゃんは「世界で一番住み心地の良い家」に住むことになる。

きっと、天国で奥さんもそうなることを願っているように思えてならなくなって、私は、Iさんとトロちゃんの双方に向かって熱弁をふるった。

すると、トロちゃんは「早く住みたいなー」と言わんばかりに写真のようなポーズをつくって見せた。

久保田 紀子

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