ii-ie.com「いい家」をつくる会

「いい家」をつくる会
コラム

201211208時31分

「涼温換気」勉強会での松井代表の話

住宅は、20年から30年先を見通して造らなければならないので、常にグローバルにアンテナを張り巡らし、工法や資材、設備などに関しより良いものを求め続けなければなりません。

3.11以後明確化したことは設備機器類、すなわち冷暖房機・給湯機・照明器具・換気装置などに関する選択の基準の見直しです。

冷暖房の方法に関しては、節電が常識化し、原子力発電への依存度を年々減らしていかなければならない状況を考えますと、快適優先ではならず、快適は省エネと両立したものでなければならないということです。


先月、私はイギリスヘ行って来ました。

その目的は、20年ほど前からお客様にお勧めしてきた蓄熱型の電気暖房がこれからも主流であるのか否かを知るためです。

イギリスで面談したユニコ・システム社と、エア・フロー社は、換気システムとエアコンをドッキングし、ダクトは直径6センチの太さのもので全館空調を提案していました。ダクティングが大変やりやすいので、アメリカやドイツ、つい最近では中国や日本の住宅会社からも引き合いが来ているそうです。

すでにイギリスでは、蓄熱式電気暖房は、省エネに優れた全館空調に主流の座を明け渡しているのです。


私は、それらのシステムをつぶさに見学し、実際に体感もして、「センターダクト方式による涼温換気」の方が優れていることを実感して帰ってきたのです。しかし、それらの方式を日本の住宅会社が取り入れますと、三菱地所ホームさんの「エアロテック」にとっては強力なライバルの登場となることでしょう。


話は変わりますが、今年の東京の夏の平均気温はマニラと同じだったというのですから、これからは高温多湿とスコールのような雨による湿度の上昇にさらに一段と配慮した家造りをする必要があります。となりますと、エアコンのない生活は考えられません。ましてや、日本のエアコンの省エネ技術は世界のトップなのですから。

自然の風だとか、自然素材や通気性を当てにしたり、断熱材にセルローズファイバーを用いれば無暖房・無冷房で暮らせてすべてがうまくいくといったような情緒的な家造りではダメです。

1+1=2という科学的で合理的な方法、つまり換気と冷暖房を組み合わせる方法が求められるのです。

しかし、お客様の多くはエアコンの冷気や暖房時の風が嫌いです。その点で、直接の冷風や温風をほとんど感じない「涼温換気」は、うってつけなのです。


「涼温換気」は、必要なものなのでしょうか、それとも必然のものなのでしょうか?

私は、必然のものであると考えます。なぜその考えに至るかには3つのポイントがあります。

一つは住宅の燃費、二つ目は高齢化、そして三つ目は大地震です。

これからの住宅は、車と同様に燃費を競う時代になります。そして住人の高齢化は避けられません。高齢者が住む家にとって、「扱いが簡単で燃費が良い」は絶対的な条件です。

また、エネルギー自給自足が必然となる時代には、エアコン1台で快適さが得られる家であることは、これまた必然となります。

そして大地震は必ずきます。住宅に用いる設備機器類の選択と施工に際しては、大地震に遭遇しても被害を最小限にとどめることができ、厄介ではないということを基準にすることは極めて大事なことです。

この点からも、「涼温換気」は必然なのです。


「涼温換気」は、右脳と左脳のバランスがよくないと理解できません。

私が8月に入ってブログに書きだしたのは、右脳によるワクワク感です。でもそれだけではいけません。ちゃんと、理論や計算の裏付けがなくてはなりません。今日の勉強会はそのためのもので、まさに左脳だけを必要とするものでしたから、最初にお話ししたベルクソン時間では大変長く感じられたことでしょう。でも、どうしても必要な時間なのです。


私たちは「住む人の幸せを心から願う」という信条に則った家造りをしています。住み心地こそが住宅の根源的な価値であるという共通の認識を持っています。


そこから導き出された家造りが、省エネで健康増進に役立つ「涼温換気の家」です。だからこそ、大いに知識を深め、設計力、施工力、経験力を磨いて、20年、30年先にもお客様に本当に喜んでいただけるように全力を挙げて取り組みましょう。

文責  久保田 紀子


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