ソーラーサーキットのデメリットについて
「いい家」が欲しい。/談話室
浮遊仙人
E-Mail:
akio_noma@klo.gr.jp
1999/10/06(水) 16:49:07
「いい家が欲しい」を読み感動いたしました。近々ソーラーサーキットの家を建てたいと思っております。ところで、エール出版、「間違いだらけの高気密・高断熱住宅」足立 博氏著(P50以下)に外断熱のデメリットとして、防腐処理のため薬品臭いとか、床板が冷たかったり足下が寒かったりする(冬場は、床下は13−15度くらいにしかならない。)ということが書いてありました。同氏は、FP工法を進めているようです。この点につき、貴殿のご意見を頂戴できれば幸いです。
お忙しいところ恐縮ですがよろしくご指導お願いいたします。
匿名希望
1999/10/06(水) 16:58:55
解決
浮遊仙人
E-Mail:
akio_noma@klo.gr.jp
1999/10/07(木) 13:28:01
どうも間違って解決のメールが入っているようです。引き続きよろしくお願いいたします。
松井
1999/10/07(木) 23:56:03
浮遊仙人さんへ
FPの家グループでは、足立氏の本は指導書というか、営業ツールとして大いに利用されています。
足立氏は、物理学に明るいと自称されていますが、赤池さん達が書かれた「史上最大のミステーク」という本では、外断熱を知らない、勧めない、選択しないということは建築物理学上の非常識として扱われています。私も同感なのですが、その見方に対して、足立氏はなんと答えるのでしょうか?
「ホントの家のつくり方教えます」の欄で紹介されているFP会員である「ころも住建」のホームページを見たのですが、外断熱に対する説明の非科学性というか、いいかげんさは多分に足立氏の本の影響を受けているように思えます。
それらを見ていると松本建工は、所詮はパネルさえ売れれば、家づくりはどうでもいいのだという巷の評判を物語っているようにも思えてきます。
さらに、私の本の一部を盗用し、ポリスチレン断熱材に対してウソの説明までしてFPの家を礼賛している本を、松本建工が校正にタッチしながら(ダイヤモンド社からの説明による)謝罪の言葉もないということは同じ家づくりに携わるものの常識として理解し難いものを感じます。
さて、私の答えですが、システムに関係の無い防腐処理(私は数年前からしていません)を持ち出して、ソーラーサーキットの家づくりを批判すること自体が、物理学的にも論理的にも適切ではないということです。
それと私の実感なのですが、人にこれが「いい家」であると勧める本を書くには、実際にその家を100軒以上造って、そこに住む人の暮らしを3年間以上フォローして、自らも3年以上住んでみることが絶対に必要であるということです。そうしない限りは、確かなことは分からないからです。
想像や、単なる伝聞や、数時間の観察を基にして家づくりの本を書くことはあまりにも無責任でよくないことだと思います。
足立氏は、何軒のFPの家を造られたのでしょうか?そして、実際に住んでいられるのでしょうか?そこを質問されてはいかがでしよう。
浮遊仙人
E-Mail:
akio_noma@klo.gr.jp
1999/10/12(火) 19:13:38
早速のお答えありがとうございました。ソーラーサーキットの家の優れた点は間違いないと思ったのですが、念のため唯一デメリットを記載してあった本を引用させていただきました。失礼の段お許し下さい。なお、前回のメールでおたずねした床板が冷たいという点も心配する必要はないのでしょうか。念のため松井さんのご意見を伺えれば幸いです。
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。
松井
1999/10/14(木) 07:21:13
浮遊仙人さんへ
ご質問が、SCさんの「ダンパーの開け閉めは?」と重複するところがありますので、少し長くはなりますがこの欄にて一緒に回答させて下さい。
まず「冬に床板が冷たいのではないか?」という心配についてです。
ソーラーサーキットの家では、冬、床下ダンパーを閉じた状態での床下の温度は一般的には13度前後でしよう。
今年の冬、私の体感ハウスでは14〜15度で安定していました。
昨年は、外気温が20度を下回ってくる10月の半ばにダンパーを閉めました。1階の床面に太陽光は当たらないのですが、床下を暖房をしないのにそのような暖かさが確保できるということは私自身毎年驚き、かつ感動していることです。
さて、冬の床面の温度ですが、測定しますと18〜24度ぐらいの間にあります。
当然暖房はされています。外気温がマイナス5.6度の朝に1階寝室の最低温度が18度、晴天の暖かな日の2階リビングの夜10時の最高温度が24度でした。
素足の場合では、いずれの場合でも冷たく感じます。体温35度よりは低いのですからそれは当然のことです。
しかし、通常はスリッパをはきます。すると、足の裏の熱はスリッパ温め、その温度は30〜32度にもなっています。つまり、床暖房を最高温度にしているような効果が得られているのです。
もし、足元の温度が18〜20度あって、体感温度も同様である家では、それで十分暖かいと感じるはずです。体感温度(空気温度+周囲の表面温度÷2)が20度あると、よほど寒がりの人でない限りは快適であると言います。
ところで、その場合の床下が13度前後であるとしたら、床面は熱損失をしていることになるはずです。
計算すれば、床材にもよりますがおそらく2〜3度は損をしていることになると思うのですが、私が6年間毎日寝泊りしていて体感的に不快な損失に感じたことが一度もないのです。
SCさんは、床下断熱をした方がよいのではというご意見ですが、そうすると、床下の熱容量の利用ができなくなってしまいます。
内断熱工法たとえばFPの家では、高性能を誇るウレタン充填パネルが床下にあって、その上に床材が貼られています。この場合の床の熱容量は床材の厚み、すなわち下地板を加えても24ミリ程度×面積でしかありません。
もし、この国が寒い冬しかないのならその方がよいのですが、四季があることを考え、ちよっと想像力発揮してみてください。
床下断熱をしている床の熱容量の小さな家は、一年中床に分厚い座布団を敷いているようなものですから、窓からの太陽の熱や生活の排熱をまともに撥ね返してきてしまいますから当然暑い家になります。
それに比べて、ソーラーサーキットの家は外側からの基礎断熱ですから、床に与えられる熱に対して懐が深く広い家であり、冬は余分な熱は床下のコンクリートに蓄え、夏は吸収して逆に床下の冷気で床面の温度上昇を抑えることが出来ています。
したがって夏には、素足が実に気持ちの良い家です。
いや、調湿作用にも優れていますから、梅雨時に床がジトジト、ベタベタした感じもしません。
もう一つ大事な点があります。
それは、床下断熱をしてしまうと太陽の熱を床下の耐圧版基礎に蓄熱できるという、いわゆるパッシブソーラーハウスに一番大事な太陽熱のダイレクトゲインが得られなくなってしまうということです。
すると、床下温度はもっと低くなってしまって、ソーラーサーキットの家の魅力は薄れてしまうことになります。
FPの家のイラストをご覧になったことがありますか?
真冬でも床下は、冷たい風が吹きぬけています。同じ屋根の下にありながら、小屋裏と床下が外部扱いされてしまう家づくりが、内断熱工法によるものです。
「同じ屋根の下」にあるのなら、構造体そのものももっと大事にしてあげて、床下も屋根裏も冬は暖かく、夏は涼しく、梅雨時もさわやかに過ごせて、しかも時折しっかりと点検してあげたいものです。
この国の気候特性を考えに入れるならば、ただ断熱・気密性をよくして、冬暖かく、クーラーの効きがよいという家を造ってみても、そこに住む人の満足度は低いものになってしまいます。
次ぎにSCさんからの「床下ダンパーの必要性はあるのだろうか?」というご質問にお答えします。
12日の勉強会で実際にソーラーサーキットの家づくりに携わっている会員さん達に、床下ダンパーの開け閉めはどのようにお客様に説明し、実行されているか意見を聞いてみました。
答えはかなりまちまちで、横浜から熱心に参加された方は梅雨時から開けておくようにお客様に説明しているとのことでしたが、大多数の意見は立地条件によるというものでした。
周辺の状況、特に風抜けがよいかどうかを判断することが大事であるとのことです。確かに、洗濯物は太陽光に当てることよりも、風に当てた方が乾きが早いのですから、床下の湿気は耐圧版基礎で地面から立ち上がってくる分は防がれているとしたら、風を通してやった方がよいといえるでしよう。
床下の湿度が85%以下に保たれていて、ある程度の気流があればカビや腐朽菌の発生の心配は少ないのですし、木材の含水率が20%以上になることもないのですから、ダンパーは開けても特にデメリットはないといえます。
私の体感ハウスでの実験では、梅雨時外部の湿度が平均で85%以上の日が5日間続いている時に、床下の湿度は平均58%で安定しています。この時に、無風の状態でダンパーを開けてみますと約2時間後には湿度が15%上昇しますが、それ以上にはなりません。もちろん、セントラル換気システムが作動していまして、1時間当たり0.5回程度の換気をしています。
ということは、高湿の空気をダンパーから吸い込んでいるのですからこれも、計算上ではおかしなことではあるのでしようが実際にその通りなのです。
そこで、私は思うのですが、床下ダンパーの開閉は科学的、計数的に扱うのではなくて、窓であると考えて扱うことがベターであるということです。
窓の扱いは、住む人によってまちまちで、熱損失だの日射取得だのと理論をふりかざしてその開け閉めを強要すべきものではないからです。
それ以上に心理的な面が大切です。デメリットを承知の上で、窓を開けていたいと思う人もいますし、思う時もあるのです。
それが自然な暮らしというものです。しかし、閉めたい場合に、閉めた効果が明確にメリットとして得られる家でもありたいのです。
今年、一番蒸し暑い日にあるお宅を点検にお邪魔して、床下に養生シートを敷いて寝転んでみました。
多少風が流れていて、それは想像以上に快適でした。
同行した社員に、ダンパーを全て閉めさせてみたのですが、暗くなったことを除いても開けてある方がはるかに快適で、そのまま昼寝をしてしまいたくなりました。
もし、構造体が口がきけるとすれば、建築物理学にうるさい人がそうすることは冷房効率上は損なことだと言うとしても、ダンパーは開けておいてくださいよと言っているような気がしてなりませんでした。
ダンパーの扱いについて私の本では、そのように建築物理学に明るい方や熱損失の計算や水蒸気理論に詳しい読者がいらっしゃるであろうことも想定して、かなり慎重に用心深く書いています。
しかし、実際にはもっと自然流におおらかに扱って構わないのです。
過日、お訪ねした羽村のYさんの奥様は、3年目の今年の夏が一番涼しく快適に暮らせましたと言われました。
ご承知のように、今年の夏はこれまでで一番暑かったのです。
私が書いた「夏の暮し方」をよく読んで、自分流の一工夫を加えただけなのですが、と大変うれしいお話をして下さいました。
ダンパーはどう扱われましたと尋ねましたら、「梅雨が明けてから、開けたままにしてあります」とのこと。
8月のクーラーの電気代が約3000円、9月が1000円ちょっとです。
家の広さは、1階が独立した15畳の洋室、DK9畳そこに続いて和室8畳と6畳。二階に寝室10畳と6畳が2部屋です。
私が「奥さんは、ソーラーサーキットの家の暮らしの達人ですね」とお褒めしたところ「いえいえ、私は特別なことは何もしていません。窓からの熱をできるだけ入れないように、そして、朝晩の涼しい風はできるだけ取りこんでおくようにしていただけですよ」とのことでした。
浮遊仙人さんへ
「性能表示」の時代に入って、大手ハウスメーカーをはじめ各フランチャイズは、性能さえ発揮できるならば出来る限り簡略な方法で家を造ってしまおうとするようになりつつあります。
床下換気孔の扱いは、その一番よい例です。
それを無くして基礎パッキンで代替する工法は、横着者にうってつけのものです。そうすることによって必要となる床下断熱が、現実的には気密性を伴う施工が難しく、いかに問題が多いものであるのかを実際に床下にもぐって観察してみられることをお勧めします。
床下換気孔は、造り手にこの国の気候特性に配慮する良心があるならば、季節によって開け閉めすることの意味とメリットはすぐに理解できるはずです。
浮遊仙人さん、足立博という人が本当に家づくりが好きで、純粋に興味と関心をお持ちであるなら、ソーラーサーキットの床下の温度が冬場は13〜15度くらいにしかならないと批判するようなことはしないでしょう。
なぜなら、反対に13〜15度もあることにこそ興味と関心を持たざるを得ないからです。
それは、私がソーラーサーキットの家づくりに取り組むことを決断した理由の一つでもあるのです。
そこに気づかずに、その現象を無視し、その温度が低いから「間違いだらけの高気密・高断熱住宅」であると書くならば、家づくりを知らないか、単に営利を目的にしているとしか私には思えません。
また、ダンパーの閉め忘れがあるからソーラーサーキットの家は問題だというような記述もあるようですが、寒い日に窓を閉め忘れれば寒くなるのが当たり前であって、それも「間違いだらけの高気密・高断熱住宅」と批判するとしたら笑止千万です。
いずれにしても本を世に問う以上は、読者をミスリードすることは許されざることです。ましてや、「間違いだ」と指摘する以上は、その間違っている家の床下にも屋根裏にも数多くもぐって、じっくりと観察し研究してからにすべきであると思います。
このような本が後を絶たないのですから、「間違いだらけの住宅本」という本を書く必要がありそうで、少々うんざりしています。
もしも、FPの家がそれほどまでに優れていて、「住み心地」が本当によいのであれば、次々におかしな礼賛本を出版することを親元の松本建工が黙認するはずはないと思うのですが、いかがなものでしょうか?
足立氏に「ころも住建」の高気密・高断熱の説明が間違っていないのかどうかこの談話室で答えてもらいたいものです。
すでに他の欄でもお話しましたが、ダイヤモンド社は「ホントの家のつくり方教えます」(岩原隆著)の一部に不適切かつ誤りがあったことを率直に認め、そうすることが出版社としての良心であるとしてすべて回収廃棄処分することを決定し、実行しています。
エール出版社も「外断熱の家の中は防腐処理のため薬品臭い」、だから「間違いだらけの高気密・高断熱住宅」であるとする足立氏の表現は不適切であり、場合によっては間違いでもあることをよく点検チェックされたほうがよろしいのではないでしようか?
浮遊仙人
E-Mail:
akio_noma@klo.gr.jp
1999/10/14(木) 11:08:02
ご丁寧なお答え本当にありがとうございました。わずかに残っていた心配も消え、ソーラーサーキットの良さを確信するに至りました。またご指導いただけるのを楽しみにしております。
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