「いい家」が欲しい。著者/松井修三のコーナー

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2016年7月1日

猛暑でも節電要請なし

 この夏は、6年ぶりに政府による7〜9月の「節電要請」のない夏になる。東京電力福島第一原発事故後、企業と家庭の節電の取り組みが着々と進んだことが大きい。再生可能エネルギーや異業種による新電力の普及も進む。稼働する原発は全国で2基のみだが、猛暑になっても電力需給は十分な余裕がある見込みだ。
 政府の見通しでは、沖縄を除く大手電力9社の今夏の供給余力はピーク時でも9.1%あり、必要とされる3%を大きく上回る。このため、東日本大震災後に続けてきた節電要請(13年以降は数値目標なし)の見送りを5月に決めた。
 猛暑の予測があっても余裕を見込むのは、企業や家庭での節電の定着などで電力の需要が減っていることが大きい。経済産業省の想定では、2010年夏と比べたピーク時の電力需要(大手9社の合計)は、気温の上昇や経済規模の拡大の影響を考えても約14%減って1億5550万キロワットになるとされる。
 電力消費の多い企業などの「大口需要家」は、特に節電に積極的だ。経産省が昨夏に実施したアンケートでは、大口需要家の93%が節電に協力し、うち95%が「来夏も継続する」と答えた。理由のうち最も多かったのは「コスト削減」で、利益を重視した行動だ。
 24時間営業の多いコンビニ業界では、最大手のセブンイレブンは全店舗9割以上で照明をすでにLED化しており、今後も進めていくという。ローソンも、冷蔵庫のフィルターをこまめに掃除したり、エアコンの設定温度を27度にしたりする「省エネ10か条」を今夏も継続する。
 大手メーカーも、業務に支障のない範囲での節電は続けるところが多い。日立製作所は国内グループの主要拠点に、全従業員が電力の使用量をリアルタイムで見られるシステムを導入しており、例年通りに節電を促す。三菱重工業は電力消費の多い設備の稼働を夜間や休日にシフトする操業調整を13年からとりやめたが、正午に消灯するなどの節電は続けるという。
 一方、同じ経財省のアンケートで昨夏に節電に協力した家庭は54%とまだ伸びしろがある。
 製薬大手の武田薬品工業は震災後、「エレベーターを使わずに階段で上り下りすれば5ポイント」といった社員の節電などの取り組みに応じてたまる「タケエコポイント」を導入。国内の従業員と家族に節電を促している。


      2016年7月1日 朝日新聞

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