「いい家」が欲しい。著者/松井修三のコーナー

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2016年7月24日

戸建て、耐震性競う

 三井ホームは新たな耐力壁の開発に乗り出した。既製品を改良して強度を高めた試験品では、薄い木片を接着して圧縮した構造用壁材を使う。揺れで生じるずれに耐える力などが優れ、強度は国が定める3段階の耐震等級で最高の「3」(建築基準法の耐震性能1.5倍)の水準を上回る。
 実験棟で震度7級の揺れを繰り返し加えたが、損傷は下地の一部のひび割れ程度にとどまったという。同社ではひび割れも生じにくい素材・仕様を詰め、来年にも商品化を目指す。都心で需要が拡大している4階建て以上の住宅でも活用できるとみている。
 耐力壁の既製品は約130平方メートルの家に付けると80万〜160万円だが、新商品は強度を上げながら価格は2〜3割下げることを検討する。
 ミサワホームは制振装置の搭載率を高める。価格は工事費込みで約50万円で、独自のゴムが地震エネルギーを逃がして揺れを半減する。全商品に装備するのが前提だったが、従来は支出を抑えたい顧客の要望で制振装置をつけないケースも多かった。特に九州では大きな地震が少なかったことから、搭載率は約10%にとどまっていた。
 それが4月の熊本地震を機に大きく変わっている。
 「地震対策について教えてください」。ミサワホームの九州の展示場ではこうした顧客の声が急増。現在の九州での受注では80%弱の顧客が制振装置をつける。全国的にも地震対策への顧客の関心が高まっていることから、ミサワでは今後、制振装置の提案を徹底し、現在65%の全国搭載率の70〜80%への引き上げを狙う。今後は基本設計に必ず組み込むといった様々な方法を検討する。
 国土交通省の推計ではマンションも含む住宅のうち、1981年に導入された現行の新耐震基準と同等の耐震性能を持つ家は2013年時点で約82%。国は20年に95%を目指している。ただ、81年以降の建築でも強度不足の家がある。
 住友不動産は既存住宅向けの商品を拡充する。現行の耐震基準で建てられた住宅向けに、ゴムで揺れを抑える制震ダンパーを標準装備するリフォーム商品の販売を始めた。水廻り設備や内外装の刷新などを含め約100平方メートルで770万円が目安。旧耐震基準の住宅向けにも耐震補強工事と制振装置をセットにした商品を発売した。
 大和ハウス工業でも、巨大地震後に繰り返し余震が襲っても新築時の耐震性能を維持する住宅の販売が好調だ。各社は独自技術で現行の耐震基準よりも高い地震への対応力をアピールする。


     2016年7月23日 日本経済新聞

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