ご存じですか?
新聞・雑誌などから”気になる”情報をピックアップしています。
2023年4月24日
大気汚染物質PM2.5 肺がん発生の一因か
微小な粒子状の大気汚染物質「PM2.5」にさらされると、肺がんの原因として知られる特定の遺伝子の変異が影響を受けてがんの形成が進むとみられるとの研究結果を、英フランシス・クリック研究所などのチームが5日付の英科学誌ネイチャーに発表した。予防法の開発につながる可能性があるとしている。
チームはEGFRという遺伝子に変異がある英国や台湾、韓国、カナダの肺がん患者ら約3万3千人を分析。喫煙と比べてリスクは低いものの、PM2.5の濃度が高い地域ほど肺がんの発生頻度が高い傾向を確認した。
カナダでの追跡調査では、PM2.5を含む大気汚染物質に3年間さらされた人の肺がん発生頻度は、汚染物質の濃度が低い場合は40%だったのに対し、高い場合は73%だった。
EGFR遺伝子に変異のあるマウスの実験で、PM2.5が肺に入ると免疫細胞が肺へ流失し、「インターロイキン1β」と呼ばれる炎症性物質が放出されて細胞のがん化が加速した。
PM2.5にさらされている間にこの物質の働きを薬剤で阻害すると、がんの進行を妨げられたとしている。
2023年4月6日 日本経済新聞