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海外視察旅行記
世界に誇れる、
住み心地いちばんの家を目指して

2007年8月
ドイツドイツ編

ヨーロッパ建築を訪ねて(ドイツ)

ミュンヘンまた会う日まで!

ミュンヘンまた会う日まで! 1

本日も快晴。

ミュンヘンはオクトーバーフェストというお祭りが開催されているので、街の中は大変な賑わいになっている。

マルクト広場は、お人形が踊るので有名な時計塔が修繕中なのだが、それでも一目見ようとする観光客であふれている。

我々は、市庁舎建物の中庭にあるレストランで、セルフサービスの昼食をとった。ホックリとゆでたじゃがいもがとてもおいしい。

ミュンヘンまた会う日まで! 2
ミュンヘンまた会う日まで! 3

今朝の外気温は、7.8度。

もう完全に冬。最近では郊外でもマイナス15度ぐらいまでしか下がらないそうで、ミュンヘンも温暖化しつつあるようだ。

さて、もうまもなくホテルをチェックアウトする。

今回の旅行でお世話になった人たちに、心から感謝申し上げたい。

多忙の中で、時間を割いて熱心に講義して下ったデルフト工科大学のダイベスティン教授、ビタ・ヨンカー先生、ヘルデ・フィリス教授。フラウンホーファー研究所の田中絵梨さん。水車守りのコックさんをはじめ、家の中を案内し、貴重な生活体験を語ってくださった人たちには特に。

オランダでパーフェクトな通訳を付きっ切りでしてくれた正木麻紀さん、そして心からもてなしの精神で最高の視察旅行を企画してくれた吉川麻里子さんに格別の感謝をしたい。

もう一人、ドライバーのサンダーさんにも。皆さん、本当にありがとうございます。

ミュンヘンの
フラウンホーファー建築物理研究所

ミュンヘンのフラウンホーファー建築物理研究所 1

フラウンホーファー建築物理研究所を訪問。

省エネ性能の向上と、住み心地の相関関係について意見交換をし、木造外断熱(外張り)工法関する共同研究を申し入れた。

数々の示唆をいただき、今回の視察旅行の締めくくりができた。

現在のわが国の家造りのレベルは、オランダ、ドイツと比べて決して劣ることはない。学ぶべきところは数々あるが、無暖房住宅とか、200年住宅を目指すことが必ずしも良いことではない。

大切なことは、住む人の幸せを心から願う家造りに徹することだ。そうすれば、必ず世界で一番住み心地の良い家を実現できる。

そのためのベターな断熱の方法は、「外断熱」であることは議論の余地がない。

外断熱こそがスタンダードであり、内断熱(充てん)は補助的であるべきものだ。

3年以内に、「マツミの家」は世界に誇れるものになっているだろう。

明日、ミュンヘンから成田に飛び立つ。

ミュンヘンのフラウンホーファー建築物理研究所 2

コンクリートの劣化に関する経年観察

ミュンヘンのフラウンホーファー建築物理研究所 3

外断熱に関する経年観察。左側の人が研究所の田中絵梨さん(熱・湿気部門の研究家)、右側は久保田紀子さん。

今回の訪問は、久保田さんが田中さんにコンタクトを取って実現してくれた。

無事帰国

駆け足ながらも、内容の濃い視察旅行ができた。

高気密・高断熱化による省エネの家造りは、オランダもドイツも日本と同様に1973年のオイルショックをきっかけとして始まった。

両国では17年後の1990年には、最近わが国のトップランナーたちが取り組んでいるような無暖房住宅やゼロエネルギー住宅の建設が始まっている。

ということは、スタートはほぼ同じでありながら、省エネという点では15年ほどの遅れを取っているということである。

それをもって、切歯扼腕している人たちがいる。

「ドイツでは年間暖房費が15kwhを目指しているのに、日本では・・・」と。

しかし、あわてることはない。うらやましがることもない。

地震国であり、台風の通り道でもあり、梅雨があり、高温多湿、低温少湿という極めて厳しい自然条件の下では、住む人が納得し、喜んでくれる家造りには、ユニークで無理のない発想が求められる。

今回の旅行で確認できたことは、マツミの家造りがサスティナブルという点からも、省エネという点からも間違いのない方向に進んでいることだ。