海外視察旅行記
世界に誇れる、
住み心地いちばんの家を目指して
2007年8月
ドイツ編
ヨーロッパ建築を訪ねて(ドイツ)
ドイツの省エネ住宅視察
8月にドイツのデュッセルドルフを訪れ、最先端省エネ住宅を視察した。
そのとき、地元のラジオ局と新聞の取材を受けた。これは地元紙に載った写真と記事だそうだ。
「こんな天気はお好きですか?」
1日中雨だったこの日にそんな質問を投げかけてみた。
松井修三さんからすると、日本人はなかなかユーモアのある民族らしい。
日本の首都、東京に所在するマツミハウジングの社長である松井修三さんは、今年の夏ずっと続いているこの天気につき、一般のドイツ人と変わらない意見を持っているようだ。つまり、最悪だと。
松井修三さんは昨日、久保田紀子さんと共にLeverkusenのSchlebuschを訪れ、Bayer社の姉妹会社である[住まいと建物マネージメント/Gewoge]を建築主とする、省エネルギー面でより能率性があり、尚かつモダンな造りの省エネ住宅街[Leimbacher Berg]の外観と機能がどのようなものであるかを視察した。
「日本から松井さんが来るという話はNRW州のエネルギー局からまわってきた」とGewoge社のBurghardPetzelは述べる。[「いい家」が欲しい。]の著者である松井修三さんは、最新の省エネルギー法がドイツでどの様に取入れられ、家作りに反映されているかを調査するために来たと言う。
この省エネ住宅街建築のプロジェクトは、2002年に全国で行われたコンテストにより生み出され、以来Leimbacher Bergには26軒の住居が建てられ、現在は6軒が建築中である。
いずれここには合計46軒の住居が建つ予定だ。
「この家の特徴は、従来の暖房設備を使用しなくてもよいように造られていることです」と、建築家のLars Roessing(写真の手前の人、真ん中は通訳の根岸舞子さん)は、遠い日本からはるばるこの地を訪れた訪問客を建築中の住居内に案内しながら説明した。
太陽熱の集熱、地中熱の利用、緑化された屋根、特殊な断熱施行などのコンセプトから、各住居の年間の暖房費はたったのEuro 220.00だとPetzelは述べる。
しかし、最大のハイライトは、巧みに開発された換気システムだと言えるだろう。これは、熱交換器内で排気と給気が混ぜ合わされ、温度が交換されることによって90%の熱を再利用できるというものだ。
また、夏には暖かい外気が地中で冷却され、室内に送り込まれるようになっている。このような機能により、省エネハウスでの必要暖房熱量は、従来の家に比べて4分の一になる。
松井修三さんは、これらの説明に注意深く、また興味津々に耳を傾けていた。
彼の頭の中では、より優れた省エネ住宅を建築するプランが練られているようだ。